私が所属している沿岸整備部は港湾・海岸・漁港・空港の設計、計画、海事、維持管理、許認可などの業務を行っています。その名のとおり、活躍の舞台の多くは海の沿岸域や海上・海中です。その中で私は海洋構造物の維持管理の分野に携わっています。維持管理の主な仕事は「点検」と「長寿命化計画の策定・更新」です。従来の点検方法は作業員が現地で直接視認して確認する目視調査がメインでしたが、近年は点検方法の効率化が進んでおり、水中ドローン、UAV搭載型グリーンレーザー、音波で海中の形状を把握するナローマルチビーム測深機など多くの先進的な機器も活用されています。私が入社した当初は「点検方法って意外とアナログなんだな」と思っていましたが、今では「こんな方法もあるのか」と技術の進歩に驚かされるばかりです。弊社ではこれら機器を所有しており、実際に自分で扱う経験ができることは弊社の大きな利点です。
維持管理業務では設計業務のように自分が設計したものが実際に出来上がった時の感動や達成感のようなものは無いかもしれません。ただ、新設された構造物も適切に管理していかないと私たちの身を守るどころか命を脅かすものとなります。計画、設計、施工、そして維持管理。それぞれの技術者からバトンを受け継ぎ、皆様の安全を守ることに繋がる重要な仕事に誇りをもって取り組んでいます。