砂防の仕事の「やりがい」とは何なのか改めて考えると、それはもの凄くシンプルな事だと気づきます。私たち砂防技術者は、土砂災害から住民を守るという使命を果たすために仕事をしていますが、それが果たせた時、貢献できた時に感じるものが「やりがい」です。
私は、平成30年7月豪雨の年に砂防グループに配属され、1年目にして災害対応で計画する堰堤1基の設計を任されました。発災直後の調査で見た光景は当時の自分にとってかなり衝撃的なものでした。その後の堰堤設計を進めていく中で、辛いこともたくさんありましたが、発災後の調査の光景が脳裏に焼き付いており、その度に「やらないといけない」という使命感に駆られ、砂防グループでの1年目を乗り切りました。
その年に設計した堰堤は、本堤部分が完成しておりますが、それを初めて見た時には素直に感動したのと同時に、「この仕事にもっと真剣に取り組んでいかないといけない」と強く感じました。
近年毎年のように大雨による災害が日本各地で発生しており、砂防分野において世の中から求められる事が年々強くなってきておりますが、これからも謙虚に貪欲に色々なことを吸収しながら、一人前の砂防技術者に成長できるよう精進していきたいと思います。
土砂災害から住民を守るという使命を果たせたときに感じるものがやりがいです。