事業内容 service

道路附属物点検支援システムの紹介

AR技術を活用した道路施設点検の効率化
ICTを活用し、点検や診断情報の
収集・蓄積をシステム化

はじめに

 平成26年に道路法が改正され、全国的に道路インフラの点検・維持管理が本格化しています。
 多くの道路インフラは、建設後30年が経過し、メンテナンスを必要とする施設が増加しています。一方、維持管理を行うための人員や予算が不足している現状があります。老朽化した道路インフラによる第三者被害を未然に防ぐため、変状を迅速かつ確実に把握し、機能と費用の両立した維持管理を行うことが求められています。このため、ICT(Information and Communication Technology: 情報通信技術、以下ICT)を活用し、点検や診断情報の収集・蓄積をシステム化して活用する必要があると考えます。
 中電技術コンサルタント㈱は、道路インフラの中でも施設数が多く、第三者被害のリスクの高い照明・標識等の道路附属物に着目し、施設の特徴に即した点検・診断・措置・記録の効率化に取り組んでいます。

システムを用いた点検状況

システムを用いた点検状況

技術の適用場面

 本システムを活用することで、次に示すようなさまざまな維持管理の場面で活用ができます。

道路附属物点検への活用

 標識や照明等の道路附属物の点検において、点検対象施設をAR(Augmented Reality:拡張現実、以下AR)可視化技術により特定し、タブレット端末を用いて点検を行うことで内業の効率化を図ることができます。

道路施設点検への活用(マーカーレス技術)

 道路附属物以外の橋梁、屋外施設、法面等道路施設においても、対象物や損傷箇所の特定と過去の記録の読み出しに適用可能です。

技術紹介

 本システムは、古河電気工業㈱と共同開発しています。

本システムの概要

 本システムは、タブレット端末にあらかじめ点検施設の情報を登録することで、高精度なDGPS(Differential GPS)を用いて現地において点検施設の特定、既往点検履歴の確認、点検結果の入力を行うことができるシステムです。

DGPSの概要図

DGPSの概要図

AR可視化技術による施設情報のマーカーレス現物管理

 あらかじめ管理施設の位置情報と前回点検結果等を登録しておくと、AR可視化技術を活用して現地でタブレット端末のカメラを管理施設にかざすことで、点検対象施設であるかを識別し、管理施設の情報を得ることができます。また、高精度なDGPSを用いることで管理施設が密集して設置されている箇所においても施設の識別が可能です。

AR可視化の画面

AR可視化の画面

タブレット端末による点検システムの構築

 点検時には、位置図や前回点検調書等の資料を大量に持参する必要があります。また、点検後には点検調書のとりまとめを行う必要があります。これらに対し、タブレット端末を用いることで前回点検調書をタブレット端末で確認し損傷度の進行度合いを現地において判断することができます。また、点検時には現地において点検調書形式で点検結果を記録することで内業の効率化を図ることができます。

点検イメージ

点検イメージ

クラウド上での情報共有

 管理施設データをクラウド上で一括管理することで、事務所や現場においても最新情報を共有することが可能です。これにより、地元住民からの問い合わせに対して、事務所や現場においても最新の点検結果を基に対応ができます。また、事務所にてリアルタイムに現地点検結果を確認することができます。

クラウドを用いた管理イメージ

クラウドを用いた管理イメージ

業務事例・論文発表・研究実績など

AR技術を活用した道路附属物点検の効率化

 【平成29年度土木学会中国支部研究発表会】

AR可視化技術を活用した道路施設管理の合理化

 【OSV研究会主催「モニタリング技術の進化とリスクマネジメントの未来」にて発表】

道路附属物点検支援システム

 【第10回インフラ検査・維持管理展に共同開発成果を出展】

第10回インフラ検査・維持管理展に共同開発成果を出展

共同開発

共同開発元:古河電気工業株式会社▶

おわりに

中電技術コンサルタント㈱は、今後も道路施設点検における効率的かつ効果的な維持管理に活用できる技術開発に取り組んでいきます。

お問い合わせ先電話番号

<保全グループ>交通・都市本部 道路交通部 TEL 082-256-3389