技術開発

技術開発 technology

発表論文

2023年度

学会・委員会/
論文集
論文名
令和5年度
砂防学会研究発表会概要集
SARデータによる道路斜面監視への適用性評価

 道路土工構造物の崩壊に繋がる変状把握と,健全性評価のために通常点検が実施されているが,局所的な変動の有無や程度を現地調査し,個別箇所に計測機器を設置してくまなくモニタリングすることは経済的にも技術的にも困難である。このため衛星SARデータを利用して広範囲を面的にモニタリングする技術が検討されているが,地表の植生の影響,斜面方向や勾配等の地形的影響,様々なノイズによる計測精度の低下などの課題が多く実用に至っていない。
 そこで本研究では,水準測量を行っている道路斜面を対象として,衛星SARデータを用いた時系列干渉SAR解析結果をもとに,斜面前方への水平変位と上下変位を推定し,それを水準測量結果と比較して妥当性を検討した。
 その結果,測量結果と同様の隆起傾向を評価できた。しかし,ディセンディングの時系列LOS変位に見られたように,条件によっては結果が大きくばらつく可能性がある。今後は条件の異なる様々な斜面で検討を行い,提案した評価方法の適用性を検討していく予定である。

広島県における『見える化』の取り組み~ミエドキAR,ひろしま3Dマップ~

土砂災害リスクを適切に理解し,避難行動をとるための情報提供として,広島県で実施した新たな『見える化』の取り組み(3Dマップによる自然災害リスクの見える化,AR技術の活用による自然災害リスクの見える化)について,紹介するものである。

衛星SARによる広域地すべり斜面モニタリングの検討 -地表伸縮計測との比較-

近年,衛星SARデータを利用して地表の変位を広範囲で面的に計測することが可能となり,継続的に観測されたデータを用いて,斜面変状や地表面沈下などの時系列変化をモニタリングする技術が確立されつつある。衛星SARは天候や昼夜に左右されず,現地に計測機器等を設置しないため,低コストで広範囲を把握できる可能性がある。しかし,観測される変位は衛星から地表を見たときの視線(LOS)方向の変位であることや,衛星SARがほぼ南北方向に周回して東西方向から観測しているため,軌道方向である南北方向の動きをほとんど検知できない。また,観測析果には変位以外の様々なノイズが含まれており,微小な変状を検出することは困難であるなどの課題も多い。
そこで本検討では,沖縄県中城湾周辺で地すべりが多発している地区を対象として,異なる方向(東側および西側)から観測された衛星SARデータを用いて時系列干渉SAR解析(SBAS解析)を行い,2方向の結果を合成して斜面方向の時系列解析結果を算定して地すべり挙動を評価した。またその結果を伸縮計による実測値と比較してSARによる観測結果の妥当性を検討した。

巨礫衝突による砂防堰堤の損傷と3次元効果の影響検討

巨礫を多く含む石礫型土石流の発生時に砂防堰堤が受ける流体力や衝撃力は,径が大きくなるほど,堰堤の損傷リスクが大きくなると考えられる。一般に,これらの外力に耐え得る構造として,砂防堰堤の天板幅は衝突する礫径の2倍を満足するとして決定されるが,巨礫の衝突に伴う砂防堰堤の損傷について,検討された事例は少ない。本稿では,巨礫が砂防堰堤に衝突する土石流を模擬した動的破壊過程解析を実施した。まず,2 次元解析を用いて様々な礫径や流速が堰堤の破壊形態に及ぼす影響を考察した。また,2次元解析において損傷が最大となる条件に対して3 次元解析を行うことで,損傷形態の観点から3次元効果の影響検討を考察した。

2022年度

学会・委員会/
論文集
論文名
第49回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
衝撃荷重下におけるロックボルト・ロックアンカーの付着特性に関する実験的研究

ロックボルトやロックアンカーはトンネル坑道支保材や岩盤斜面安定補強材料の一つであり,一般的にボアホールにセメントまたは樹脂ベースのクラウド材を用いて岩盤に定着させる.ここでのロックボルトおよびロックアンカーと岩盤の付着強度は常時および地震時のような動的荷重下において大変重要な役割を持つ.本研究では重錘落下式衝撃試験機での室内試験を行い,試験体の鉄筋部に衝撃荷重を作用させ付着強度特性を評価した.試験体は円筒形琉球石灰岩および大理石ブロックに,ボアホールを設け,丸鋼鉄筋および異形鉄筋を早強ポルトランドセメントより作成したモルタルで固定し作成した.同様の試験体で静的試験も行い,動的試験応答との比較を行った.

3D-FEMと経験的グリーン関数法による1984年長野県西部地震の強震動評価

1984年9月14日に発生した長野県西部地震(Mw6.2)では震源域周辺で多くの地すべりが発生し,御嶽山南斜面で大きな岩屑なだれが発生して約12km流下した.また,震源地付近の山頂や尾根では,多くの飛び石が観察された.これらの飛び石の痕跡から震源地付近では水平・垂直方向の加速度は2G以上が発生したと推定される.しかし,近傍での強震動記録はなく,地震発生の詳細なメカニズムはこれまで明らかにされていない.そこで著者らは,断層面の動的破壊過程を考慮した3次元有限要素法による強震動シミュレーションと,経験的グリーン関数法を用いて震源付近の強震動を推定した.そして,震源域の被災状況や飛び石の状況から推定される強震動と比較し,解析手法の適用性と推定された震源深さを評価した.

Evaluation of Strong Motions caused by the 2022 Paktika Earthquake, Afghanistan

2022年6月22日、アフガニスタンのKhost州でモーメントマグニチュード6.2のPaktika地震が発生した。本研究では、経験的手法、有限要素法、経験的グリーン関数法を活用し、パクティカ地震による強震動を評価することをテーマとする。最大地盤加速度、速度、永久地盤変形の評価と推定を、Spera地区とGayan地区におけるいくつかの単純構造物の破壊から推測されるものと比較した。また、強震動の評価と比較を行い、地震被害への影響を考察した。

統合モニタリングシステムによる沖縄県中城村の地すべり斜面の動態観測

沖縄本島の中南部に位置する中城村の東向き斜面は,南北に約4km以上にわたって島尻泥岩が広く分布しており,風化に対する抵抗力が非常に弱く,地すべりが多発している.この地区の斜面はほぼ全域が地すべり危険箇所に指定されており,危険箇所の早期発見,予防対策を行うためにモニタリングを行うことが重要である.そこで本研究では,中城村当間地区の地すべり斜面を対象として,広く面的に地表変状を観測できるSAR衛星や,地上レーザー計測,現地に設置したGNSS,三軸傾斜計を活用し,これらの計測手法の特性と有効性を検討している.これらの計測手法を組み合わせ,効率的で信頼性の高い斜面の動態を把握する手法の確立を目指した統合モニタリングシステムの構築状況を報告する.

統合モニタリングシステムによる宮城島急崖岩盤の動態観測

沖縄本島中部に位置する宮城島の東側には,断層崖を形成する琉球石灰岩急崖斜面が広がり,近接する集落の住民に対する安全対策が喫緊の課題となっている.本研究は,急崖斜面の安定性評価に関わる急崖岩盤の動態を把握することを目的として,広範囲にわたる継続的な地盤の変状を1次モニタリングする合成開口レーダー(SAR)の利用と,高精度の変状の把握が可能な種々の現地計測を効率的に組み合わせた統合モニタリングシステムを適用して急崖岩盤の変状を計測し,その計測結果を総合的に検討した.

SARデータを用いた道路斜面監視の適用性検討

道路土工構造物の崩壊に繋がる変状把握と,健全性評価のために通常点検が実施されている.しかし,局所的な変動の有無や程度を現地調査し,個別箇所に計測機器を設置してくまなくモニタリングすることは現実的でない.広範囲を面的にモニタリングして異常箇所を発見し,点検の必要な箇所の抽出や点検優先度のスクリーニングが可能になれば,経済的かつ効率的に管理が行えるようになる.
これを背景として,近年,人工衛星によるリモートセンシング技術が数多く活用されている.インフラ監視に活用されている衛星リモートセンシング技術には,光学センサーを搭載した光学衛星と,合成開口レーダー(SAR : Synthetic Aperture Radar)を搭載したSAR衛星がある.光学衛星は,航空写真と同様に,地表の対象物の太陽光の吸収や反射特性から地表の情報を観測するもので,地表面の状態把握を目的に利用される.一方,SAR衛星は,可視光や赤外線より波長が長いマイクロ波と呼ばれる電磁波を地表面に向けて照射し,観測対象から衛星方向への後方散乱波を受信する.太陽光を利用する必要がないため昼夜を問わず観測でき,波長が長いマイクロ波を利用するため,雲やある程度の雨を貫通できることから,天候の影響を受けずに観測できる.また,観測される散乱波の位相を利用して,地表面の変位を算定することができるのも特徴である.
SAR衛星は,これらの特徴から,平常時のインフラを含む地表の変状監視に用いられているが,斜面変状の監視については,地表の植生の影響,斜面の向きや勾配などの地形的影響,様々なノイズによる計測精度の低下などの課題が多く実用に至っていない.
 そこで本研究では,水準測量を行っている道路斜面を対象として,衛星SARデータを用いた時系列干渉SAR解析結果を水準測量結果と比較して,解析条件の違いが解に及ぼす影響と斜面変位計測法としての適用性を評価し,斜面モニタリングへの活用について議論する.

土木学会論文集F3(土木情報学) 災害調査支援システムに用いるRTK受信機の性能評価

近年,九州北部地方や中国地方等では,多大な人的被害を及ぼす豪雨が発生しており,豪雨に伴う激甚な土砂災害が起こっている.土砂災害発生時には,被害拡大を防ぐために迅速な土砂災害調査が必要である.そこで我々は,マルチバンド受信機を使用することで,作業効率や調査員の安全性の向上を目指す災害調査支援システムを開発している.本稿では,実際に土砂災害調査が行われた広島県の災害復旧現場において, 開発するシステムに使用する受信機の測位性能を評価する.劣悪環境下における定点測位精度の確認を目的とした砂防堰堤における実験では,水平方向の測位結果のばらつきが22mm(2DRMS)以下であることを確認した.森林中の測位性能の確認を目的とした森林中における実験では,水平方向の測位結果のばらつきが0.65m(2DRMS)以下であることを確認した.この結果,土砂災害調査におけるマルチバンド受信機の有用性が確認できた.

2022年度
CRFワーキンググループ活動
藻類バイオ燃料の社会実装化を目指して

皆生海岸では海岸侵食が深刻な問題となっており,これまでに離岸堤や人工リーフ,突堤などのハードな侵食対策やサンドリサイクルの実施といったソフトな対策が行われているが,対処療法的な対策では海岸侵食を防ぐことができない状況にある.こうした状況を解決するためには,海岸全体の土砂動態を正確に把握することが必要であり,そのツールとして数値予測モデルが重要になる.本研究では,皆生海岸広域を対象に日野川からの流出土砂や海岸保全施設を考慮し,等深線変化モデルを用いて,1947年から2010年までの地形変化の再現計算を行った.また,美保湾沖におけるJRA-55-waveデータを基に算出する砕波諸量を用いて再現計算を行い,砕波諸量の違いによる地形変化への影響を評価した.

日本原子力学会
2023年春の年会
予稿集
地震PRAにおける耐震多様性の評価/その4:応答曲面法を使った耐震多様性システムの効率的評価法

既報告では,機器の固有周期と地震動の応答スペクトル特性に着目して,耐震機器と免震機器から成る耐震多様性システムのリスク評価法を提案した。また,同手法を用いて,マグニチュードと震源距離が一様ランダムな領域震源において,耐震多様性システムのリスクと,同種の機器から成る多重性システムのリスクの比較によって耐震多様性システムの有効性を定量的に評価した。本報告では,耐震多様性システムの評価における計算負荷を軽減するために,応答曲面法を適用した効率的な手法について検討した。

令和4年度(2022年)度 
土木学会中国支部研究発表会 概要集
根谷川における土砂堆積量観測装置の出水時への適用と土砂堆積厚推定式の改良

2020年に細井らが、土砂堆積による圧力をゴムチューブ内の水位計で観測する土砂堆積量観測装置を開発した。本観測装置を根谷川に設置されている観測桝内の底面に設置し、土砂動態を把握する実験が行われた。しかしながら、2020年に本観測装置を設置した観測期間中においては、いずれも小規模出水であり、観測装置の有用性を確認するまでに至っていない。そこで、本研究では、2021年の出水時における土砂動態の把握を試みた。その結果、小規模出水では、連続的に土砂動態を把握することができたため、根谷川への適用の有用性を確認できた。なお、大規模出水では、理論値との乖離が大きいため、今後は本観測装置を改良する必要があると考えられる。

第74回 2022年度(令和4年)
土木学会中国支部研究発表会
皆生海岸広域を対象とした海浜変形予測に関する研究

皆生海岸では海岸侵食が深刻な問題となっており,これまでに離岸堤や人工リーフ,突堤などのハードな侵食対策やサンドリサイクルの実施といったソフトな対策が行われているが,対処療法的な対策では海岸侵食を防ぐことができない状況にある.こうした状況を解決するためには,海岸全体の土砂動態を正確に把握することが必要であり,そのツールとして数値予測モデルが重要になる.本研究では,皆生海岸広域を対象に日野川からの流出土砂や海岸保全施設を考慮し,等深線変化モデルを用いて,1947年から2010年までの地形変化の再現計算を行った.また,美保湾沖におけるJRA-55-waveデータを基に算出する砕波諸量を用いて再現計算を行い,砕波諸量の違いによる地形変化への影響を評価した.

地盤工学ジャーナル 斜面上の変位モニタリングに必要な計測精度 -斜面規模と計測精度の関係-

斜面の変位の計測に必要な精度は斜面の規模により異なる。これが不明であると計測機器の選択ができない。これを解決するために,本稿では斜面の規模と変位の計測精度の関係を明らかにした。模型斜面や実斜面での変位計測事例を用いて,崩壊までの変位で正規化した変位計測間隔と,各々の計測間隔のデータと実測データの偏差の関係,そして崩壊までの時間で正規化した計測時間間隔と,各々の時間間隔のデータと実測データの偏差の関係を求めた。すると正規化した変位計測間隔と計測時間間隔が0.05以下であることが精度の高い計測に必要なことが判明した。この関係に,斜面の規模と崩壊までの変位の間に線形関係の仮定を加え,表層崩壊の発生する長さ50m程度以下の斜面の変位の計測に必要な,変位計測間隔と計測時間間隔の目安を提案した。

第52回安全工学シンポジウム 急傾斜地警戒区域の抽出に対する深層学習の適用

5mメッシュの数値標高モデルと土砂災害警戒区域(急傾斜地)(以下、急傾斜地警戒区域)のペア画像を教師データとして、セグメンテーションモデルU-Netを用いた学習を行い、急傾斜地警戒区域の自動抽出を行ったものである。

第57回地盤工学研究発表会 堤防天端に生じた亀裂等の現地計測の効率化・高度化に関する基礎的研究

本研究ではアスファルト舗装が施された堤防天端に生じた亀裂・ひび割れの現地計測の効率化・高度化を目指すことを目的に,従来手法であるエスロンテープに代わる「デジタルカメラを用いたSfM 解析」による現地計測手法の適用性について検討するものである。
「デジタルカメラを用いたSfM 解析」にてオルソ画像を作成することにより,延長が長い変状に対しても変状全体を画像として保存することができ,変状の規模や状況を把握する上で有用な手法であるといえる。また、今回の計測結果においては、エスロンテープとの計測値の差分量は,そのほとんどが±1cm以内と精度よく計測できており,従来手法と同程度の精度で計測できると考える。

Proc. of RocDyn-4 The tensile strength of rock samples from bending tests under impact loads

The tensile strength of rocks can be obtained various methods and the bending tests is also used for such a purpose. However, there is almost no study on the bending tests under impact loads. The authors develop a special jig and it is used for bending tests under both impact loads and static loads. The authors compare the experimental results on several rocks subjected to impact and static loads. Furthermore, some discussions are given on the tensile strength of rocks determined from three-point bending and Brazilian tests under both impact and static loads. The authors discuss the experimental results and discuss the effect of the impact velocity and momentum on dynamic bending strength characteristics of rocks in this study.

統合物性モデル技術研究組合令和4年度
研究発表会論文集
傾斜30度未満の斜面崩壊に関する一考察

傾斜30度,高さ5m以上の区域とその周辺区域からなる土砂災害警戒区域等(急傾斜地の崩壊)は,地形・地質や土地の利用状況等の基礎調査結果に基づき指定・公表される.2001年4月に施行された土砂災害防止法に基づいてこの区域指定が進む中,岡山大学北側の半田山では,地表面の傾斜24~29度の斜面が2018年7月豪雨により崩壊した.本論では,土砂災害警戒区域等(急傾斜地の崩壊)に指定されていなかったこの崩壊斜面を対象に,二次元浸透-応力連成解析(せん断強度低減法)による斜面安定性評価を行い,現地の崩壊状況を概ね再現できる可能性を示した.

第2回交通地盤工学に関する
国内シンポジウム
粘性土地盤表層に設けた改良体の直径が改良効果へ及ぼす影響

浚渫土砂や廃棄物による埋立地盤を対象とした浅層改良における荷重分散や支持力発現について、改良体の直径に違いに着目した静的載荷試験を行うことで、改良体直径が支持力へ及ぼす影響について実験的に検討した結果を論文としたものである。
検討の結果、改良体直径が大きくなるほど基礎沈下量の浅い位置で改良体の破壊が生じており、その時のロードセル荷重はやや減少する傾向にあった。一方で改良体深さ50mm の場合は、改良体直径60mm、70mmでは改良体は破壊せず、80mm、 90mmでは改良体が破壊する結果になった。改良体破壊以前においては改良体直径の大きいほど大きな荷重を示した。
また、改良体による荷重分散効果の検討を行った結果、改良体深さ30mmでは改良体直径が大きくなるほど荷重分散が十分に生じることなく破壊に至ることが分かった。一方で改良体深さ50mmでは、改良体直径によらず基礎沈下量の挙動はほぼ同様であることが分かった。

ASEA SEC 6 ANALYTICAL PREDICTION ON AGING DETERIORATION BY USING WHOLE TRUSS BRIDGE MODEL CONSIDERING LOCAL COR

鋼構造物の合理的な維持管理シナリオを策定するためには、現在生じている腐食損傷を考慮した部材や橋梁全体の残存耐力低下を将来的に予測することが重要である。本研究では、局部腐食が進行している老朽化した鋼トラス橋について、腐食進展モデルおよび弾塑性非線形有限要素解析による橋梁全体解析を実施した。局所腐食を仮定した解析結果から、全橋の耐力劣化曲線は、最大活荷重倍率と経過年数の関係として求める。
本研究を実施した結果、腐食損傷は腐食環境や腐食形態が異なるため,腐食進展モデルの各パラメータを適切に設定することは困難であるが,5年ごとに実施される橋梁定期点検において、板厚計測を行うことができれば、腐食損傷の進展を想定できる可能性を示した。また、局部的な腐食損傷の進展を考慮した解析結果から、新設時の活荷重倍率2.98倍に対して、供用後120年後の活荷重倍率2.98倍と120年で橋全体としての耐荷力が21.1%低下することを示した。

SCIS&ISI 2022 Application of deep learning to establishment of slope failure warning areas

In this study, a highly accurate numerical elevation model of 5m mesh provided by the Geospatial Information
Authority of Japan (hereinafter referred to as "DEM") and image pairs obtained from the slope failure warning areas in the Sediment Disaster Portal Hiroshima (hereinafter referred to as "slope failure warning areas") are used as teacher data, The slope failure warning areas are output by learning with the segmentation model U-Net.

2021年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名

第73回 2021年度
中国支部研究発表会
皆生海岸を対象とした波浪予測に関する研究

皆生海岸は古くから海岸侵食が問題となっており,海岸保全対策の検討では,より精度の高い海浜変形モデルが求められる。汀線変化予測や3次元海浜変形予測計算においては,まず波浪変形計算が必要であるが,波浪を的確に設定しなければ汀線及び海浜変形予測計算の精度向上に繋がらない。そのため,皆生海岸全体を対象とした広域における波浪予測モデルの適用性と波浪条件設定のための手法を検討した。検討の結果,回折波の計算において検討の余地が残されているが,皆生海岸における沿岸漂砂の方向を定性的であるが示すことが可能であることが分かった。

土木学会論文集B3(海洋開発)特集号
(Vol.77,No.2)
浮桟橋の函間渡橋の挙動計測・開発手法に関する一考察

船舶の接岸や航走波により繰り返し動揺を受ける函間渡橋の挙動を解析し、今後の維持管理に向けた計測手法等を考察した。計測は、サーボ型加速度計、モーションキャプチャーカメラ、RTK-GNSS測量器の3つの手法を採用し、浮桟橋と函間渡橋の相対変位と絶対変位計測を試みた。何れの評価項目においてもモーションキャプチャーが最適であったものの、それぞれの手法に一長一短があるため、制約条件など計測環境に応じた適切な手法を採用する必要がある。


令和3年度
(公社)砂防学会研究発表会
平成30年7月豪雨災害を事例とした強度差分SAR画像による崩壊地判読精度の検証

近年,降雨や雲の影響,また,昼夜を問わずに観測可能な合成開口レーダ(以下,SAR)による土砂災害判読手法が注目されており,災害時の効果的な活用を目指している。これは,災害前後のSAR画像から被災箇所において後方散乱特性が変化することに着目した手法であり,大規模な地滑りを対象とした検討が多く,小規模な表層崩壊の抽出は困難なため,精度検証を行った事例は少ない。本検討では,表層崩壊に対する判読精度を検証するため,衛星進行方向,SAR画像のピクセルサイズ,後方散乱係数の閾値を検討することによってSARの判読結果にどのような影響があるのか航空写真判読結果と比較を行い,定量的な評価を実施した。また,地形データを用いた精度向上についても検討を実施した。その結果,SARデータに地形データを加味することで,崩壊地抽出精度向上につながることが確認された。

令和3年度
(公社)砂防学会研究発表会
火山地域における土砂移動バラマキセンサの開発について

火山活動が活発な桜島では多量の火山灰が山腹に堆積しているため,特に噴火後においては,極少規模の雨でも土石流が発生しやすい特徴がある。このような土石流の危険監視あるいは実態把握のために,監視カメラ,ワイヤーセンサ,超音波水位計等による観測が行われているが,これら定点観測のみでは広範囲に広がる土石流の実態を把握するには十分ではない。一方,近年UAV(無人航空機)やIoT(Internet of things)といった情報通信技術が発展し,これらを組合せることで従来困難であった土石流の実態をより詳細に把握できる可能性が広がりつつある。本研究グループでは土石流の土砂移動状況の実態把握を目的にUAV運搬型土砂移動検知センサの開発を進めており,本報告ではそのうち土砂移動バラマキセンサのプロトタイプの開発と動作確認を行ったので,その内容について報告する。


第41回
交通工学研究発表会
760MHz帯域を活用した路面電車と路線バスの車車間および路車間通信実証実験

超高齢化社会を迎えたわが国では、「質の高い交通」として革新技術に支えられて実現するきめ細かな移動サービスが求められている。本実験では、質の高い交通として路面電車、路線バス、自動車の760MHz帯域を活用した車車間通信による情報提供と、信号機と各種車両の路車線通信による情報提供を行う安全運転支援システム、非常時の公共(災害)車両災害時誘導支援システム、平時の公共交通優先信号情報提供・制御システム、軌道敷内を路線バスが走行し路面電車と協調する電停共有支援システムの公道実証実験を広島市内で実施した。本論文では、公道実証実験を行ったシステムの有効性と、試乗会モニター調査により確認したシステムに対する社会受容性について報告する。




第24回
医療ビジネス研究部会
スマートメーターを活用したヘルスケアビジネス

スマートメーターの導入に伴い、電力データをきめ細かくリアルタイムに入手することが可能になっている。この電力データを用いて、宅内における生活状況を見える化し、居住者の支援を行う関係者に生活状況を提供する実証の成果を述べる。これらの成果を基に、スマートメーターを活用したヘルスケアビジネスの展望について述べる。

シンポジウム「モバイル21」 スマートメーター電力データを活用した生活行動の見守り

スマートメーターの導入に伴い、電力データを細かくリアルタイムに入手することが可能になる。これを用いて、宅内の生活行動を見える化し、居住者の支援を行う関係者に生活行動を提供した実証成果と今後の展望について報告する。


日本原子力学会
2021秋の年会
RI-PBに基づく新しい耐震設計体系のフレームワーク
その10:断層モデルによる周期間相関を考慮した耐震多様性の評価

著者らは既往研究で,固有周期の異なる耐震機器と免震機器から成る耐震多様性を有するシステムの有効性を,特定の地震環境を用いて,様々な地震に対して定量的に評価した。このとき,機器応答は,地震動予測式(GMPE)を用いて,機器の固有周期に応じた最大応答加速度として評価するが,固有周期の異なる機器の応答を同時に評価する際には,周期間相関を考慮する必要があり,既往検討では,様々な地震観測記録を回帰分析して求めたBakerらの周期間相関を用いた。本検討では,特定地震発生時の特定地点における耐震多様性システムの有効性評価を行ったが,特定地震を対象とすることから,周期間相関は,断層モデルにより求めたものを用いた。

Journal of Nuclear Science
and Technology
Bayesian-estimation-based method for generating fragility
curves for high-fidelity seismic probability risk assessment

本研究では,設備の地震に対する脆弱性を表す地震フラジリティ曲線を得るための非線形地震応答解析(NLTHA)の解析回数を軽減することを目的としたベイズ推定に基づくフラジリティ曲線評価手法を開発した。提案手法では,ベイズ推定における尤度関数を従来のフラジリティ曲線から,耐力中央値の確率密度関数に変更するとともに,事前分布は中央値物性値を用いた漸増動的解析により設定する等の工夫をした。本提案手法を原子力発電所における鉄筋コンクリート造の取水設備に適用した結果,日本原子力学会推奨の詳細法を適用して500回のNLTHAで得られたフラジリティ曲線を,12回のNLTHAで得ることができた。

土木学会論文集B3(海岸工学)
Vol.77,zNo.2
室内実験を用いたSAV modelの再現性の検討

個々のアマモを独立したオブジェクトとして定義し,流れ場との相互作用を詳細に再現できる水草モデル(SAV model)が最近の研究において提案された.本研究では,このSAV modelの再現性の検証を目的として,低発泡ポリエチレン製の水草模型を用いた水槽実験を行った.その結果,SAVモデルは流れ場および水草の形状を高精度に再現できた.

土木学会論文集B3(海岸工学)
Vol.77,No.2
アマモの呼吸と光合成を考慮したコムケ湖における溶存 無機炭素水平分布の再現

北海道北東部に位置するコムケ湖でアマモの呼吸と光合成を考慮したDIC水平分布について検討した.実現象へSuper SAV model(複数の水草(SAV)を1本で代表させる水草モデル)を開発・適用し,呼吸と光合成の効果を考慮することで,DICを高精度に再現できる可能性を示すことができた。

日本植物学会 第85回大会
要旨集
愛媛県鈍川温泉由来高油脂生産藻類の開放系培養構築の試み

我々は,これまでに細胞増殖を阻害しないで脂質を増産する培地を開発したが,生産量が不安定であった.今回,前培養の方法や期間などの培養条件の検討をおこない,以前より高増殖,高油脂生産を安定的に示す液体培養条件を決定することができた.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
不連続性岩盤を模擬した金属六角棒積層斜面模型の遠心力載荷加振実験(7)-等価線形解析による評価-

本研究では,不連続性岩盤の耐震性評価の課題を抽出し,その解決策を模索するため,不連続性岩盤の模型として,金属六角棒を積み上げた斜面模型の加振実験を行うとともに,様々な解析手法を用いて,シミュレーションや実験結果の解釈を試みている.本論文では,金属六角棒の集合体の要素試験で得られたひずみに依存するせん断剛性および履歴減衰の非線形特性に対して,等価線形化法を適用した2次元動的FEM解析により,斜面模型の遠心力載荷加振実験(25G場,50G場)のシミュレーションを行った.解析により得られたせん断ひずみ分布,加速度応答やすべり安全率から,斜面模型の破壊形態を評価し,加振実験の再現性および当手法の適用性や課題について考察を行った.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
不連続性岩盤を模擬した金属六角棒積層斜面模型の遠心力載荷加振実験(9)-複合降伏モデルによる評価-

これまで,不連続性岩盤の動的挙動を明らかにするため,不連続性岩盤の模型として金属六角棒を積み上げた斜面模型を用いて1G場での加振実験を行い,様々な解析手法を用いてそのシミュレーションを実施してきた.本検討では,同一の斜面模型を用いて,遠心載荷装置により25Gおよび50Gを作用させて加振実験を実施し,その結果についてシミュレーションを行った.本論文では,模型供試体を用いた試験より求まる不連続面の変形特性の拘束応力依存性や非線形性を考慮できる有限要素法による等価連続体解析の一種である複合降伏モデルを用いて解析を行い,得られる変位・加速度応答値やひずみ分布から崩壊モードを実験結果と比較し,解析手法の適用性や課題について考察した.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
地表地震断層の発生におけるダメージゾーンの影響に関する解析的検討-日奈久断層を事例として-

大規模な内陸地震により地表に断層(地表地震断層)が出現すると,重要構造物に大きな被害を与える.地表地震断層の発生の有無や規模については,過去の観測記録や地質調査結果をもとに経験的に評価されることが一般的である.一方で,震源モデルを用いて地表地震断層のシミュレーション解析も行われているが,大半は地盤を均質としており,速度層構造や断層周辺に存在するダメージゾーンなどを考慮した事例は少ない.そこで本研究では,2016年熊本地震の前震が発生した日奈久断層を対象として,ダメージゾーンの有無などの地盤条件の違いが,地表地震断層の発生の有無や地表面の強震動にどのような影響を与えるかを,3次元有限要素法による動的破壊シミュレーションにより検討を行った.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
断層ダメージ領域内の応力不均一性が断層領域の力学的挙動に与える影響

誘発地震は様々な工学プロジェクトと密接に関係しており,持続的かつ安定的な大深度地下開発を実現するために,その予測・抑制技術の開発が求められている.これまで,断層の構成則や地質構造スケールでの剛性不均質性を考慮した誘発地震シミュレーションが実施されてきたが,メートルスケールでの応力不均質性を考慮した数値解析は実施されていない.本研究では,断層破砕帯を構成するき裂群に起因する極めて複雑な応力不均質性を等価連続体モデルを用いて再現し,断層コアの有効応力を低下させることによって誘発地震シミュレーションを実施した.その結果,断層上の微小な応力変化に伴って生じる地震群のシミュレーションに成功し,せん断応力降下量は地震の規模と必ずしも一致しないことが示された.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
地表地震断層の特性及び出現条件の整理と課題

地表に変位を生じる地表地震断層は,土木建築構造物に甚大な被害をもたらすため,その出現要因を理解することが重要である.地表地震断層については,これまでに様々な検討がされており,特に地震の規模を示すマグニチュードと地震断層の出現率について多くの研究事例がある.地表地震断層に影響を与える要因は,地震の規模以外にも考えられるが,それらについて整理した研究は少ない.本研究では,地表地震断層の出現条件について,既往研究を基に整理し,課題を明確にすることを目的とする.地表地震断層の素因として,特に,地震の規模,表層地盤の厚さ,断層の傾斜,断層帯の幅,断層タイプ,断層に作用する力について整理した.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
断層破砕帯の力学特性に関する実験について

断層破砕帯を跨ぐような場所で建設される構造物の施工の際に様々な工学的な問題が生じていることが報告されている.また,そのような場所では大量な湧水とそれに伴う崩壊が見られる.大規模な地下空洞の場合にも同様な事例が報告されている。断層破砕帯の変形係数は周辺岩盤のものに比べ小さいため,上部構造物に応力集中が生じ,亀裂などの発生要因になることもある.さらに,地震学で地震動の推定などの際に断層破砕帯の特性が最も重要なパラメータである.したがって,断層破砕帯の力学特性の把握が大変重要な課題であるが,大型実験の費用が高いため.実験データが少ない.本論文で著者らが今まで行ってきた実験データを整理し、断層破砕帯の力学特性とその評価について記述する.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
断層破砕帯の形成とその特徴

地殻を構成する岩盤は変動時に塑性化し,それに伴ってひずみの局所化が発生し,局所化したものが断層破砕帯と呼ばれている.したがって,岩盤には断層破砕帯が多数存在し,断層破砕帯を含まないものはほとんど存在しないであろう.完全に形成された断層破砕帯に亀裂状態が異なる六つの領域が存在する.破砕帯の中心部に粘土コア,その両側に亀裂状況が異なる領域が存在する.それらの亀裂は一般的に, 雁行(引張)亀裂(T亀裂),リーデル(Riedel)亀裂(R-R亀裂),スケンプトン亀裂(P亀裂),Y亀裂あるいは D 亀裂およびせん断(S)亀裂と分類されている.本論文で断層破砕帯の形成に関連して室内試験と自然界における断層破砕帯の形成とその特徴についてまとめ,幾何学的モデル化に対する基本的な考え方を紹介する.

第48回
岩盤力学に関するシンポジウム講演集
Experiments on Penetration Response of a Cylindrical Object into Rock Under Impact Loads

The authors developed a practical drop-weight type testing equipment and utilized for different purpos-es. In this study, the authors have used this device to investigate the penetration response of cylindrical objects into rock under different impact velocities. The authors utilized paraffin as a frictionless elastic-perfectly plastic material and Oya tuff and Ryukyu limestone as brittle rocks for impact tests.

日本原子力学会
2022年春の年会予稿集
地震PRAにおける耐震多様性の評価,その2:耐震多様性を考慮したシステムのリスク評価法

既報告では,機器の固有周期と地震動の応答スペクトル特性に着目して,耐震機器と免震機器から成る耐震多様性システムのリスク評価法を提案した。また,耐震多様性システムのリスクと単一機器から成る多重性システムのリスクとの比較により,耐震多様性システムの有効性を定量的に示した。本報告では,これらの結果を原子力発電所全体のリスク評価に反映するために,耐震多様性システムのグループフラジリティ曲線を評価した。

土木学会論文集B3(海洋開発)
特集号(Vol.77,No.2)
粘性土地盤上の平板に偏心傾斜荷重が採用した際の挙動

海面廃棄物処分場跡地を高度利用する際には,構造物を支持する基礎工として支持地盤への杭打設が必要となると考えられ,その場合,遮水基盤(粘性土地盤)を貫通するような杭の施工が必要である.杭を打設した場合には廃棄物を遮水基盤以下へ連れ込むことが懸念される.本研究では杭の肉厚より大きな廃棄物に着目し,それを平板に簡略化してモデル化し,これを杭が押し込む実験を行うことで,偏心傾斜荷重を作用させた平板の貫入抵抗と回転挙動の関係について観察し,杭肉厚より大きな廃棄物が杭に押し込まれるときの挙動について検討したものである.

2020年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名

2020年度
砂防学会研究発表会概要集
RTK搭載GNSSポールを用いた砂防調査・管理効率化ツール(SMART SABO)の活用について

砂防調査・管理効率化ツール(以下,「SMART SABO」と呼ぶ」)は,土砂災害発生後のTEC‐FORCE活動を迅速かつ安全に遂行するための効率化ツール(現地調査用アプリ)として開発された。本稿では,平常時の巡視点検や砂防施設点検に「SMART SABO」を活用するにあたり,新たに開発した「RTK搭載GNSS1)ポール」を周辺機器として組み合わせることで,調査位置の精度向上やi-Construction(維持管理)への展開を視野に入れた3次元空間情報(3次元点群データ)の活用等に関する試行実験を行った結果について報告する。

第10回土砂災害に関する
シンポジウム論文集
大規模土砂災害における無人航空機を活用した緊急調査の試行的研究

平成23年紀伊半島大水害により,大規模な崩壊等が発生し,崩壊土砂が河道を閉寒することで,天然ダムが形成された。天然ダムは,越流・決壊すると下流に土石流等が発生し甚大な被害を及ぼすことから,住民の避難行動に資するために,被害のおそれのある区域等の情報を速やかに提供することを目的とした緊急調査が行われる。
本論文は、天然ダムで緊急調査が行われ,現在も調査が継続している赤谷地区(奈良県五條市)を調査対象とし,初動期の対応における既往調査手法の課題と解決の方向性を整理すると共に,無人航空機を活用した実現場での実証実験を行い,上空からの調査の有効性を確認した。また無人航空機による調査結果を地上の現地調査に活用し,上空調査と地上調査を組み合わせることで,従来よりも迅速かつ安全な緊急調査が行える可能性を示した。

砂防学会誌 地震後の降雨による土砂災害事例に関する統計分析

本稿では、地震に伴う土砂災害警戒情報の暫定基準について、基準の引き下げ方式の改善・最適化を図るための一環として、地震後の降雨による土砂災害事例から降雨特性、地震特性、地質特性の関係を分析した。その結果、通常基準未満の降雨で発生した土砂災害事例が見られない条件として、①西南日本、②本震後に強い余震が繰り返されない、③震度5強を超える余震発生から191日超過後の3つが確認された。また、通常基準未満の降雨で発生した土砂災害事例が見られやすい条件として、①余震が多発している、②緩い堆積層、③火山岩・火砕岩および堆積段丘の混在する境界に位置する地下水の豊富な地域の3つが確認された。今後は、膨大な数の土砂災害非発生事例を活用するとともに、土砂災害データベースの充実と新たな方法論の確立を図った上で分析を加え、降雨基準の運用方法や降雨基準の改良に努めていきたいと考えている。


日本都市計画学会
中国四国支部研究発表会
都市計画研究講演集
自動運転バスの軌道敷内走行実証実験

平成29年度~平成30年度では,Connected公共交通(自動運転バス,路面電車の異モードが電停を共有して連携するシームレスなマルチモーダルサービスを想定)の仮想現実(VR)を活用した選択実験を行い,選好意識調査による自動運転,Connected公共交通システムの社会的受容性の計測を実施している。令和元年度は,仮想現実(VR)で設定した環境を現実空間に置き換えて,路面電車と協調して軌道敷内を走行する世界初の自動運転バスの公道実証実験とモニター調査を実施し,自動運転,Connected公共交通システムに関する社会的受容性を確認した。




第11回維持管理セミナー
トンネル点検実務の現状と課題
施工時および点検時情報を利用したトンネル維持管理の新技術

道路トンネルの維持管理における簡易技術について,これまでの研究成果および弊社の取り組みを以下5ステップで講演する。講演後は,パネルディスカッション 「トンネル点検実務の課題と今後の展望」において,ほかの講師とともにパネリストとして参加する。
<講演の骨子>1)道路トンネル維持管理の現状,2)施工時情報取得および活用の効率化,3)点検時における路面および覆工形状計測の簡易手法と評価方法の紹介,4)電子化された施工時および点検時情報を活用した維持管理業務効率化に向けた取り組み「ARによる点検システム」の紹介。


土木学会論文集B3(海洋開発)
Vol.76,№2
成層を考慮したアマモ場における溶存無機炭素鉛直分布の推定

コムケ湖を対象にアマモの炭素吸収機構を解明するために,アマモ場での成層を考慮した溶存無機炭素(DIC)の鉛直分布の推定を概念モデルにより行った.概念モデルの検証は,SAV modelから得られる鉛直拡散係数との比較により実施し,成層が強くアマモが十分に存在している領域において,概念モデルは高精度な再現性を有することが分かった.

土木学会論文集B2(海岸工学)
Vol.76,№2
分岐を有するSubmerged Aquatic Vegetationモデルの開発

波・流れと水草の連成を実現するオブジェクトモデルに対して分岐を考慮する拡張を加えて水草モデル(Submerged Aquatic Vegetation model:SAV model)を構築し,数値計算の際に必要となる各係数の検討を行った.室内実験においてSAV modelに必要な主要な物理係数の値を推定することにより,流速や分岐の位置によって分岐部の曲げ剛性の下限値は概ね変化しないことが分かった.また,分岐の葉長が大きくなるほど分岐部の曲げ剛性の下限値が大きくなることが分かった.

港湾空港技術研究所報告
Vol.59,№1,June2020
浅海域における海水中二酸化炭素分圧の観測と統計解析モデルの適用

国内の様々な浅海域(亜寒帯~温帯~亜熱帯の海草場,干潟,サンゴ礁)において,海水中CO2分圧とその環境要因の現地観測(2010年~2015年)を実施するとともに,得られた観測データに統計解析を適用することによって,海水中CO2分圧に影響を与える重要な環境要因を抽出し,現況を推定することを目的とした.海水中CO2分圧と関連する環境要因の観測データに対して一般化線形モデルを適用し,海水中CO2分圧の現況推定モデルを構築した.また,全データセットに対してパス解析を適用し,因果関係を検討した.その結果,大気-海水間CO2フラックスは,主に(1)風速,(2)流入負荷,そして(3)生物過程から影響を受けることが分かった.特に,海水中CO2分圧は生物生産(光合成,呼吸・分解)の指標(ΔDIC)や石灰化の指標(ΔTA)との関係性が強く,呼吸・分解や石灰化により海水中CO2分圧を高め,光合成により海水中CO2分圧を低下させることが主要な要因と示唆された.

Ecological Modelling Modeling dissolved inorganic carbon considering submerged aquatic vegetation

This study aimed to develop a model to investigate thermal effects, considering irradiance, on changes in dissolved inorganic carbon dynamics in a lagoon system, and assessment of the model to understand controls on carbon dynamics in Komuke Lagoon, Japan. NEP was successfully modelled by verifying its robustness against field observations. Furthermore, the proposed model can be applied to assess and enhance the effectiveness of blue carbon capture and storage as part revegetation measures to mitigate against global warming.

Water Resources Research Integration of Submerged Aquatic Vegetation Motion Within Hydrodynamic Models

This study reports the development of a fine‐scale non‐hydrostatic model that demonstrates the two‐way effects of SAV motion interaction with the flow. An object‐oriented approach is applied to capture the multiphase phenomena, whereby a leaf‐scale SAV model based on a discrete element method is combined with a flow dynamics model to resolve stresses from currents and waves.




ESREL2020/PSAM15 A Framework of RI-PB Seismic Design
Part2:Evaluation of seismic diversity of SSCs focusing on response spectrum characteristics of ground motion

原子力発電所の重大事故等の対処設備は,設置の方向や免震などを含めた耐震多様性を図ることで,共通原因による機能喪失のリスクを低減させることが重要である。既往研究では耐震機器と免震機器から成るシステムのリスクを評価する手法が提案された。本検討では同手法を用いた検討を実施し以下の知見を得た。①並列システムではリスクが低下し,直列システムではリスクが増加する。②固有周期が同じ機器の並列システムよりも,固有周期が異なる機器の並列システムの方がリスク低減効果は大きい。③機器の耐力のばらつきが大きいと機器単体の損傷確率は大きくなるが,並列システムのリスク低減効果は大きくなる。

日本原子力学会
2020年秋の年会
RI-PBに基づく新しい耐震設計体系のフレームワーク その5:原子力発電所の耐震多様性とロバストネスの評価

原子力発電所の重大事故等の対処設備は,設置の方向や免震などを含めた耐震多様性を図ることで,共通原因故障のリスクを低減させることが重要である。既検討では耐震機器と免震機器から成るシステムを対象に,規模と位置がランダムな地震環境における耐震多様性の有効性,設計応答スペクトルを超過する様々な地震動に対するロバストネスを報告した。本検討では国内11地点の地震環境を踏まえて検討を行った結果,海溝型地震の影響が大きい地点では顕著な有効性を確認した。また,同システムのロバストネスを確認した。

日本原子力学会
2021年春の年会
RI-PBに基づく新しい耐震設計体系のフレームワーク その8:強震動波形計算に基づいた周期間相関の評価

著者らは既往研究で、加速度応答スペクトルの地震動予測式(GMPE)を使って固有周期の異なる耐震機器と免振機器からなる耐震多様性を有するシステムのリスク評価を行った。GMPEは、マグニチュードや震源距離等を与えて、固有周期毎の応答加速度の平均値および標準偏差を算定できるが、異なる周期間の関係は考慮されていない。このため、上記既往研究では、多数の地震および観測点における地震観測記録を回帰分析して求めたBakerの周期間相関を用いて、それぞれの機器の応答加速度を評価した。本検討では、特定地震発生時の特定地点の周期間相関を、統計的グリーン関数法により算定した応答スペクトルを使って評価した結果を報告する。


第72回
土木学会中国支部研究発表会
衛星データによる大規模地盤変動への適用性について

干渉SAR解析は,SARによる2回以上の能動的な電波の送受信による観測データの位相差から衛星視線方向の地表変動量を計測するもので,過去に遡って広域に面的な変動を把握できることが特徴であり,斜面などの定期的なモニタリングに有効だと考える。これまで干渉SAR解析による変動検出事例はいくつか報告されているが,比較的小さな変動が発生した箇所での変動抽出事例が多く,継続して大規模な変動が確認されている箇所での適用性を検討した事例は少ない。そこで本検討では,大規模な変動が確認されているトルコのババダー地区の地すべりを対象に波長の違う2つのSARデータを用いて干渉SAR解析を行い,大規模変動に対する適用性について検討した。その結果,Sentinel-1では,変動量,ALOS-2では,変動範囲を捉えられる可能性を示唆した。

第15回
岩の力学国内シンポジウム講演集
不連続性岩盤を模擬した金属六角棒積層の斜面模型の動的挙動評価(7)-複合降伏モデルによる評価-

本研究では,不連続性岩盤の耐震性評価の課題を抽出し,その解決策を模索するため,不連続性岩盤の模型として金属六角棒を積み上げた斜面模型の加振実験を行うとともに,様々な解析手法を用いて崩壊する加振条件と崩壊形態の予測を行った。このうち本論文では,不連続面の変形特性の拘束応力依存性や非線形性を考慮できる有限要素法による等価連続体解析の一種である複合降伏モデルを用いて検討した。不連続面の変形特性は,金属六角棒を複数噛み合わせた不連続面の一面せん断試験結果より設定し,これを用いた動的FEM解析より得られる変位・加速度応答値やひずみ分布から崩壊モードの予測を行い,実験結果との比較により解析手法の適用性や課題について考察した。

第15回
岩の力学国内シンポジウム講演集
3次元有限要素法による1984年長野県西部地震の強震動シミュレーション

1984年長野県西部地震は,長野県木曽郡王滝村直下を震源として発生したマグニチュードMj =6.8(Mw =6.2)の地震であり,震源の深さは2kmと浅かったが,断層は地表面に現れていない。この地震により,王滝村一帯では複数の斜面崩壊が発生し,御嶽山では巨大斜面崩壊が発生し,土石流として約12km下流まで流動した。また,震央近傍では多数の石の跳躍が確認されており,地震動の観測記録は残っていないが,石の移動等から2Gを超える上下動が発生したものと推定される。そこで本研究では,3次元動的有限要素法により1984年長野県西部地震の断層をモデル化して強震動シミュレーションを行い,震源近傍の上下動や,御嶽山など斜面崩壊について検討を行った。この結果,一般的に採用されることが多い地表面を平坦としたモデルでは,震源近傍の強震動を再現できなかったが,地表面地形を考慮し,破壊後の応力低下時の限界すべり量を適切に設定することで石の跳躍や斜面崩壊を評価できることが分かった。

第15回
岩の力学国内シンポジウム講演集
SARデータを活用した斜面モニタリング に関する基礎的検討-沖縄県中城村の斜面を事例として-

沖縄本島の中南部に位置する中城村を中心とした東向き斜面は,北南に約4km以上にわたって島尻泥岩が広く分布しているため,地すべりが多発している。また,この斜面のほぼ全域が地すべり危険箇所に指定されていることから,危険性のある箇所の早期発見,予防対策を行うためにモニタリングを行うことが重要である。近年,広範囲を天候に左右されることなく,変位が把握可能なSARデータを活用したモニタリングが期待されている。一方,モニタリング手法としての実用化にはまだ課題があり,広く活用されるまでに至っていない。そこで本検討では,地すべりが多発している沖縄県中城村を中心とした東向き斜面を対象に,SARデータの観測方向や地表面における評価単位(再生画像の解像度)などにより抽出される斜面変状箇所や変位量がどのように異なるのかを比較,検討した。

第15回
岩の力学国内シンポジウム講演集
不連続性岩盤を模擬した金属六角棒積層の斜面模型の動的挙動評価(5)-等価線形解析による評価-

本研究では,不連続性岩盤の耐震性評価の課題を抽出し,その解決策を模索するため,不連続性岩盤の模型として,金属六角棒を積み上げた斜面模型の加振実験を行うとともに,様々な解析手法を用いて,破壊する加振条件と破壊形態の予測を実施する。本論文では,金属六角棒の集合体の要素試験で得られたひずみに依存するせん断剛性および履歴減衰の非線形特性に対して,等価線形化法を適用した2次元動的FEM解析による斜面模型の加振実験のシミュレーションを行った。解析により得られたせん断ひずみ分布,加速度応答やすべり安全率から,斜面模型の破壊形態を予測し,加振実験の再現性および当手法の適用性や課題について考察を行った。

地盤工学会 中国支部論文報告集
「地盤と建設」
激甚化する地盤災害の技術課題と展望

現在、日本の災害は激甚化と拡大の傾向が顕著になり、想定外や未経験の災害に遭遇する機会が増えてきている。このような多発する災害環境の中では、従来にない新たな課題が多く浮上してきており、ハード対策とともにソフト対策の充実、持続可能な開発目標を揚げて取り組む研究体制の構築や、情報共有化と複数の目標にまたがった包括的なアプローチが必要な時代に突入している。本論では、地盤技術をテーマに地震災害、斜面災害、洪水災害に係る新たな課題を抽出し、今後の展望についてとりまとめた。

地盤工学会 中国支部論文報告集
「地盤と建設」
2018年7月豪雨により崩壊した傾斜30度未満の崩壊斜面の機構解明

2018年7月豪雨により斜面崩壊が発生した岡山大学北側の半田山は、24~29度の比較的緩勾配の斜面である。土砂災害ハザードマップに示される傾斜30度以上の土砂災害危険個所に指定されていない箇所で斜面崩壊が発生したことから、地形・地質・降雨状況に着目し、崩壊機構の解明を試みた。具体的には、航空レーザー測量による遷緩線や地形変化点と、表土および風化土倉の層厚、さらにX線分析による鉱物分布や降雨条件を反映させた有限要素法(せん断強度低減法)による浸透―応力連成解析を実施した結果、現地の崩壊状況と概ね整合する結果が得られた。


2019年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



2019年度
土木学会中国支部研究発表会概要集
RPA(Robotic Process Automation)による処理自動化の試行と考察

RPA(Robotic Process Automation)とは,人間がコンピュータを操作して行う作業を,ソフトウェアにより記録・再生することで,処理を自動化することができるツールである。RPAを導入することで,定型作業を自動化し,人的ミスを防止し,作業の品質及び生産性を向上させることができる。今回のRPAの導入では,電子メールの自動送付やインターネット検索結果の収集・整理の自動化に取り組んだ。本発表では,今回のRPAによる業務効率化の取り組み内容とRPAを適用する際に留意すべきポイントを考察したものである。さらに,将来的なRPAの活用方法についても展望する。

2019年度
砂防学会研究発表会
平成30年7月豪雨災害におけるGISを活用した情報共有

平成30年7月豪雨災害を受け,広島県においてGISを活用した災害情報共有システムを構築した。本システムは既存のフレームワークを活用して迅速に構築し,大量の被害情報等について,組織を横断して利用できるシステムとなっている。

第15回
GISコミュニティフォーラム
大規模土砂災害における災害調査へのArcGIS Online適用の検討

中国地方では,平成30年7月豪雨災害を始め,平成26年8月広島災害等,近年激甚な土砂災害が繰り返し起こっている。特に都市近郊の宅地開発の進展した山地部等では豪雨に伴い土砂災害の恐れが高く,一旦,土砂災害が発生すると被害状況や二次災害防止のための現地状況等を確認するために緊急的な土砂災害調査が実施される。本発表では,TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)による土砂災害緊急調査へのArcGIS Online適用を検討した結果を紹介する。


応用測量論文集 災害調査におけるRTK受信機の性能評価

災害発生時には,効率的で安全性の高い災害調査を行うことが求められており,我々は災害調査支援システムの開発を行っている。現況システムでは,災害時の撮影写真の位置精度が悪い場合があり,災害調査後の手作業により写真位置の補正等を行っている等の課題がある。本論文では,調査位置の精度向上を図るために複数のRTK受信機を用いた性能評価を行い,災害時においてRTK受信機を用いた手法の有効性を示した。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
土砂災害調査における調査支援システムの開発(その1)

中国地方では,平成30年7月豪雨災害を始め,平成26年8月広島災害等,近年激甚な土砂災害が繰り返し起こっている。特に都市近郊の宅地開発の進展した山地部等では豪雨に伴い土砂災害の恐れが高く,一旦,土砂災害が発生すると被害状況や二次災害防止のための現地状況等を確認するために緊急的な土砂災害調査が実施される。本稿では,TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)による土砂災害緊急調査を効率化するためのアプリ(以下,土砂災害調査効率化アプリと呼ぶ)開発について報告する。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
土砂災害調査における調査支援システムの開発(その2)-災害調査に用いるRTK受信機の性能評価-

平成24年7月九州北部豪雨や平成30年7月豪雨を始め,中国・九州地域では豪雨被害が繰り返し起こっている。特に山間部では豪雨に伴い土砂災害の恐れがあり,一旦,土砂災害が発生すると被害状況等を確認するために緊急的な土砂災害調査が実施される。調査を効率化するため,我々は高精度衛星測位を用いた調査支援システムの開発に取り組んでいる。本稿では,本システムに導入予定で可搬性の優れ,ローコストなマルチバンドおよびシングルバンド受信機の測位精度と実用性を評価した結果を述べる。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
土砂災害調査における調査支援システムの開発(その3)-山間部におけるRTK受信機の測位性能の評価-

平成24年7月九州北部豪雨や平成30年7月豪雨を始め,中国・九州地域では豪雨被害が繰り返し起こっている。特に山間部では豪雨に伴い土砂災害の恐れがあり,一旦,土砂災害が発生すると被害状況等を確認するために緊急的な土砂災害調査が実施される。調査を効率化するため,我々は高精度衛星測位を用いた調査支援システムの開発に取り組んでいる。本稿では,本システムに導入予定のマルチバンド受信機について,実環境で試験した結果を述べる。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
土砂災害調査における調査支援システムの開発(その4)-構造物の点検調査におけるRTK受信機の測位結果と構造物図面データとの比較-

土砂災害が発生すると被害状況等を確認するために緊急的な土砂災害調査が実施される。調査を効率化するため,我々は高精度衛星測位を用いた調査支援システムの開発に取り組んでいる。本稿では,本システムに導入予定のマルチバンド受信機を用いて,土砂災害により「被害を受けた治山ダム」や「災害復旧により新設された砂防堰堤」の施設点検を行い,現況測量図面や設計図面に対して測位点について検証したものである。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
粒状体のせん断抵抗速度依存性に関する数値解析的検討

埋設管の耐震設計では,地震時に埋設管に作用する外力を静的な実験に基づいて設定している。しかし島村ら(1999)により行われた実大の埋設管を用いた動的な室大実験によると,埋設管の引き抜き速度が大きいと引き抜き初期において軸方向の外力(せん断抵抗)に大きなピーク値が発現した。この現象のメカニズムを明らかにするため,個別要素法を用いた数値解析を行った。数値解析の結果によると,せん断速度が大きいと初期のせん断抵抗にピーク値が発現した。またせん断速度にかかわらず一定時間粒状体が定積状態になっていることも確認された。以上より粒状体の慣性によって体積膨張に一定時間を有するため,せん断速度が大きいと定積状態で大きなせん断変形になり大きな反力が発現したと考えられる。


2019年度
砂防学会研究発表会概要集
山口県における土砂災害警戒情報の発表基準の見直し検討-効果的な土砂災害警戒情報の発表に向けて-

本報は,山口県における今後の効果的な土砂災害警戒情報の発表に向けて,土砂災害警戒情報の運用検証結果よりCLの課題を抽出するとともに,課題改善に向けたCLの見直しを検討したものである。

2019年度
砂防学会研究発表会概要集
アメリカ西海岸における土砂・洪水氾濫対策

本報は,国土交通省と砂防学会が共同で実施したアメリカ西海岸における,土砂・洪水氾濫対策に関する調査結果の概要を報告するものである。

2019年度
砂防学会研究発表会概要集
平成30年7月豪雨による呉市天応地区における土砂・洪水氾濫の実態について

平成30年7月の豪雨により,広島県各所において多くの土砂災害が発生し,甚大な被害が発生した。崩壊土砂量は約800万㎥で,平成26年8月広島土砂災害の約16倍もの土砂が崩壊した。坂町総頭川,呉市天応の大屋大川等では,上流からの大量の土砂により河床上昇が生じ,大量の土砂が河道外に水とともに氾濫する土砂・洪水氾濫が発生した。土砂・洪水氾濫により土砂災害警戒区域外の比較的下流に位置する川沿いの家屋にも被害が生じた。本報告は,天応地区で発生した土砂・洪水氾濫の実態把握のために現地調査や数値シミュレーションを行ったものである。

2019年度
砂防学会研究発表会概要集
H30.7豪雨災害対応におけるUAVの活用事例

平成30年7月豪雨災害対応におけるUAVの活用事例報告として,災害発生直後の実態調査や施設設計に用いた事例を報告する。

2019年度
砂防学会研究発表会概要集
平成30年7月豪雨における住民の避難行動の実態調査-坂町での調査事例-

本報は,今後の効果的な警戒避難対策に資するために,坂町民に対するアンケート調査から把握した住民の避難行動の実態を報告するものである。

2019年度
土木学会中国支部研究発表会概要集
山地斜面での雨水浸透と斜面崩壊の予測

頻繁する土石流災害の被害軽減には,雨水の浸透過程に着目した斜面崩壊機構の解明をし,予測手法を確立することが重要である。これまでに,山地斜面におけるパイプ流が斜面崩壊等に大きな影響を及ぼしていることは指摘されているが,その取り扱いに未解明な部分が多い。本研究は,現地観測からパイプ流が地形データの落水線上に位置すると考え,斜面崩壊の危険度は雨量指標R’で評価できることを示した。また,地下水位上昇時は土壌温度が急激に低下することが分かり,温度計測により地下水挙動を検討できる可能性も示した。

2019年
度河川技術に関するシンポジウム
土石流危険度予測のための源頭部における豪雨時の雨水浸透過程に関する研究

頻発する土石流災害の被害軽減には,雨水の浸透過程に着目した斜面崩壊機構の解明をすることが重要である。本研究は,平成30年7月豪雨時の現地観測データからパイプ流が発生している可能性が高いことが分かった。地下水位上昇時は土壌温度が急激に低下することが分かり,温度計測により地下水挙動を検討できる可能性を示した。また,パイプ流は地形データの落水線上に位置すると考えられ,土石流発生箇所とその危険度評価に応用できると考えられる。

令和元年度
建設コンサルタント業務研究発表会
土砂災害警戒情報の空振りの軽減を目的とした発表基準の検討~フラジリティ評価手法の提案と活用事例~

本稿は,山口県を対象に,土砂災害警戒情報の空振り軽減を目的として取り組んだCLの検討を報告するものである。本検討では,CLの設定においてフラジリティ評価を提案し,これを活用して客観的に再現性が低い災害発生降雨の除外を試みた。その上でCLを設定した結果,本検討で設定したCLは,従来のCLよりも空振りが大幅に軽減された。


第65回構造工学シンポジウム
(構造工学論文集Vol.65A)
実橋載荷実験による高齢化したプラットトラス橋の軸応力評価と力学挙動

高度経済成長期に整備されたインフラ構造物の多くが建設後50年以上経過し,地域の高齢化鋼橋では,予算など限られた制約条件の中で,安全性や最低限の利便性を確保しつつ,省力的かつ経済的な維持管理を実現することが求められる。比較的短期間(概ね10年以下)の余寿命を想定し,現在の交通状況に応じた維持管理のニーズに応えるためには,橋梁の現況に生じている腐食損傷を正確に把握し,部材レベルでの現有耐荷力と余裕分を推定するとともに,最低限の補修や使用上の制限を考慮した維持管理を考えることが重要である。本研究では,荷重制限下にて供用中であり,10年以内の架け替え予定である鋼プラットトラス橋における詳細な腐食損傷調査と静的実橋載荷実験を行い,実際の荷重制限下で腐食部材に生じる活荷重応力と橋梁全体のたわみ挙動を測定した。実橋載荷実験の結果から,応力評価および部材の当て板補修部周辺における活荷重応力の分配状況に着目して,設計値と実応力の違いについて言及する。本論文は構造物の維持補修技術研究会(RAMS)等での取り組みについて発表するものである。

Bridge Engineering Institute Conference
(BEI-2019)
Applicability and Constructing of Whole Analytical Model for Aging Truss Bridge to Evaluate Load Bearing Capacity in Maintenance

維持管理において老朽化した橋の強度を評価する場合,部材強度で評価しているが,維持管理において橋全体の耐荷力を評価することが合理的であると考えられる。本研究では,老朽化した橋梁全体の耐荷力を評価するため,実橋載荷実験結果と全橋モデルを使用した解析結果の比較を行い,全橋モデルによる解析の妥当性を確認した。対象とする橋梁は,腐食が生じている97年供用された鋼プラットトラス橋である。実橋載荷実験は,現在の荷重制限である8tダンプトラックを2台使用した静的載荷試験を行った。実験と同じ荷重条件で橋全体の解析モデルを用いて有限要素解析を行った。実験結果と解析結果を比較すると,軸応力の差は±1Mpa程度,また下弦材各点部のたわみも実験値と解析値が概ね一致したことから,シェル要素を用いた全橋モデルは実現象を表現できており,耐荷力を目的とした解析モデルの妥当性を確認した。本論文は構造物の維持補修技術研究会(RAMS)等での取り組みについて発表するものである。





7th International Conference on
Earthquake Geotechnical Engineering
Numerical simulations on unsaturated soil experiments using tri-phase seismic response analysis

地震時に発生する液状化は,一般に飽和土において発生するが,不飽和土においても液状化が発生することが実験等で確認されている。液状化する可能性のある不飽和地盤の地震時挙動を正しく評価するためには,不飽和土を構成する土骨格,間隙水,間隙空気の挙動を正しく表現する必要がある。本研究では,ひずみ空間多重せん断モデルによる2次元有効応力解析の不飽和土解析用のプログラムの適用性の検証として,不飽和土を対象とした繰り返し三軸試験,不飽和盛土の振動台模型実験を対象に再現解析を試みた。解析の結果,繰り返し三軸試験および盛土の実験の挙動を概ね再現することができ,プログラムの適用性を検証することができた。

令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
盛土斜面の降雨に対する安定性照査法に関する一考察

設計実務において,盛土斜面の法尻や小段へ砕石等を用いた透水性の良い排水層を敷設する場合の降雨に対する斜面の安定性照査は,地形・盛土形状から地下水位を簡易設定し,二次元極限平衡法によるすべり安全率が許容安全率1.2を上回るかどうかで行われている。本研究では,盛土斜面の簡易モデルを用いて,まず経年による排水層の目詰まりを考慮しない場合と考慮した場合の二次元飽和-不飽和浸透流を行い,簡易設定法による地下水位との比較を行った。次に,二次元極限平衡法とせん断強度低減法を用いた二次元浸透-応力連成解析によるすべり安全率の比較により,極限平衡法の適用性検証を試みた。


土木学会論文集B3(海洋開発)
Vol.75,№2
水深葉長比を考慮した有効水草高さに関する検討

様々な水深および流速の条件を与えて,一様流場におけるアマモの有効水草高さ(Deflected Vegetation Height:DVH)に関する検討を行った。その結果,水深がアマモの葉長以上の場合とそうでない場合で,異なる傾向を示すことが分かった。さらにCauchy number(Ca)とthe Buoyancy parameter(B)を用いることにより,アマモが水中に完全に水没する限界(水没限界水深)を推定できることが示された。

土木学会論文集B2(海岸工学)
Vol.75,№2
振動流場におけるアマモ場内の流動解析

本研究では,振動流場において「波・流れ水草連成モデル(Submerged Aquatic Vegetation model:SAV model)」を使用したアマモ場内の流動解析を行い,水中CO2分圧を決定づけている溶存無機炭素濃度(Dissolved Inorganic Carbon:DIC)の変動特性の検討を行った。検討の結果,波動場ではアマモの葉長が長くなるほど,ストークスドリフトの影響範囲が小さくなり,鉛直モードは波の周期が短くなるほど大きくなることが分かった。また,DICの正味の吸収量はアマモの葉長に大きく依存し,波の影響は二次的なものであることが分かった。




令和元年度全国大会
第74回年次学術講演会
ベイズ推定を用いた原子力発電所屋外重要土木構造物のフラジリティ曲線算定

地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)に用いるフラジリティ曲線算定には数多くの地震応答解析が必要だが,ベイズ推定の適用によって解析回数の低減を検討した。ベイズ推定を適用した既往研究では,事前分布を実験・観測データ等から評価しているが,本検討では裕度解析(地震動を構造物が損傷するまで漸増させて応答解析を行い,限界の地震動を評価する方法)により評価した。本手法を原子力発電所の取水系構造物に適用した結果,本手法によるフラジリティ曲線から求めた年損傷確率は原子力学会地震PRA標準の方法と同程度となるとともに,解析回数を3分の1程度に低減することができた。

日本原子力学会
年次・大会予稿集
外的事象を対象とした統合的リスク評価手法の開発
その3:ベイズ推定を用いた原子力発電所屋外重要土木構造物のフラジリティ曲線算定

地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)に用いるフラジリティ曲線算定には数多くの地震応答解析が必要だが,ベイズ推定の適用によって解析回数の低減を検討した。本検討では,ベイズ推定における尤度関数(解析結果が生起する確率)をフラジリティ曲線とした場合(従来法)と,限界加速度の確率分布とした場合(改良法)の2ケースを検討した。提案手法を原子力発電所屋外重要土木構造物に適用した結果,解析回数10回の改良法で,解析回数700回の原子力学会地震PRA標準の詳細法によるフラジリティ曲線を概ね再現できており,3次元モデルに適用した場合に解析コストを大幅に低減できる可能性がある。

ASRAM2019
(Asian Symposium on
Risk Assessment
and Management)
Bayesian estimation for generating fragility curve of high-fidelity structure model

設備のフラジリティ曲線を評価する手法の1つに最尤法があるが,本検討では,最尤法にベイズ推定を適用するとともに,ベイズ推定における事前分布を振幅漸増解析から設定する手法を提案した。同手法を原子力発電所における屋外重要土木構造物に適用した結果,原子力学会の地震PRA標準で推奨される手法と同程度の年損傷確率となるフラジリティ曲線を,より少ない地震応答解析回数によって得ることができた(地震PRA手法:700回,提案手法:100回程度)。提案手法を建屋の3次元モデルなど大規模な解析モデルに適用することにより,解析コストを大幅に低減できる可能性があることを示唆した。

日本原子力学会
2020年春の年会
RI-PBに基づく新しい耐震設計体系のフレームワーク
その3:地震動の応答スペクトル特性に着目した耐震多様性の評価

原子力発電所の重大事故等の対処設備は,設置の方向や免震などを含めた耐震多様性を図ることで,共通原因による機能喪失のリスクを低減させることが重要である。既往研究では耐震機器と免震機器から成るシステムのリスクを評価する手法が提案された。本検討では同手法を用いた検討を実施し以下の知見を得た。①並列システムではリスクが低下し,直列システムではリスクが増加する。②固有周期が同じ機器の並列システムよりも,固有周期が異なる機器の並列システムの方がリスク低減効果は大きい。③機器の耐力のばらつきが大きいと機器単体の損傷確率は大きくなるが,並列システムのリスク低減効果は大きくなる。


第47回
岩盤力学に関するシンポジウム
AN EXPERIMENTAL STUDY ON FRICTIONAL PROPERTIES OF FAULTS

The frictional properties of faults,which govern the magnitude of earthquakes and resulting strong motions,are very important. The authors have initiated an experimental program to study the frictional properties of fault planes using samples gathered from the normal faults observed in Western Turkey with overthrows more than 30-40m. Frictional experiments were carried out using three techniques,namely,tilting tests,stick-slip tests and dynamic two-ways shearing tests. The authors report the outcomes of preliminary results on the actual fault planes and compare with each other,also discuss their implications in earthquake rupture simulations.

第47回
岩盤力学に関するシンポジウム
岩盤不連続面のスティック・スリップ現象の速度依存性摩擦を考慮したシミュレーション

Tスティック・スリップ現象とは,物体間の接触面においてせん断変形中に発生する滑りと応力の蓄積を繰り返す現象であり,地震が繰り返し発生するメカニズムと考えられている。筆者らは,スティック・スリップ現象を発生させる実験装置を作成し,岩石ブロックを用いたスティック・スリップ実験を行ってきた。これらの実験結果からブロック全体の挙動の特徴を把握することはできたが,接触面における応力降下の過程やそのメカニズムについては明確ではない。そこで本検討では,スティック・スリップ現象の数値シミュレーションとして,摩擦係数のすべり速度・状態依存特性を考慮したNewmark法による解析を行った。この結果,スティック・スリップ実験における加速度,速度,変位応答を再現することができた。


2018年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



中国電力電友会会報 スマートメーターBルート電力データを活用した機器使用分析

スマートメーターBルータ電力データを活用した機器使用分析について,独自開発した機器分離技術(ディスアグリゲーション)の紹介と,本技術を用いた実証データの検証例を示して概説する。専用センサーからの電流波形を用いた機器分離技術は東京電力エナジーパートナー等がサービス展開しているが,コスト面で課題があり,取引用電力データとなるスマートメーターの活用は中国電力およびグループ会社においても注目されると考える。

電気学会
電子・情報・システム部門大会
スマートメーターBルート電力データを活用した高齢者生活状態見守り実証

スマートメーターBルート電力データ1分値を活用した生活状態見守りシステムを用いた,サービス付き高齢者住宅における入居高齢者の見守り,訪問介護事業者と連携した居宅高齢者の見守りについての実証結果について報告する。

第32回
「都市高齢者の健康長寿医療研究会」
スマートメーターの電力使用量データを用いた高齢者見守り

スマートメーターの電力使用量データを用いた訪問介護事業者向け及びサービス付き高齢者住宅向けの高齢者見守り実証,電気使用から得られる日常生活行動をヘルスケアに展開する提案について発表した。

平成30年度(第69回)
電気・情報関連学会中国支部連合大会
高圧スマートメーター電力データ監視システム

高圧スマートメーターBルートサービスを利用した電力データ監視システムについて述べ,試験的に導入を行っている事例の紹介を行う。機器設置が比較的容易で,拡張性の高い本監視システムに対するニーズは高いと見込まれ,導入事例のデータ分析を進めることで顧客の長期的な電力エネルギーマネジメントに寄与できるものと考えている。





土木学会(水工学委員会) 浸透水圧を考慮した斜面の安定性評価と極限平衡法の適用性に関する考察

各地で集中豪雨による斜面崩壊が多発する中,設計実務や各種研究の多くが,降雨浸透問題には二次元FEM飽和・不飽和非定常浸透流解析,斜面安定問題には二次元極限平衡法が用いられており,浸透流解析で得られる不飽和域の浸透水圧は,斜面安定性評価に考慮されていない。そこで本研究では,マサ土斜面の簡易モデルを用いて,せん断強度低減法による二次元浸透-応力連成解析を行い,不飽和域の浸透水圧が斜面の安定性に及ぼす影響検討を行うとともに,極限平衡法による安全率との比較により,従来法の適用性検証を試みた。

土木学会中国支部 マサ土斜面の安定性評価と極限平衡法の適用性に関する考察

各地で集中豪雨による斜面崩壊が多発する中,設計実務や各種研究の多くが,降雨浸透問題には二次元FEM飽和・不飽和非定常浸透流解析,斜面安定問題には二次元極限平衡法が用いられており,浸透流解析で得られる不飽和域の浸透水圧は,斜面安定性評価に考慮されていない。そこで本研究では,層厚を変えたマサ土斜面の簡易モデルを用いて,せん断強度低減法による二次元浸透-応力連成解析を行い,不飽和域の浸透水圧が斜面の安定性に及ぼす影響検討を行うとともに,極限平衡法による安全率との比較により,従来法の適用性検証を試みた。

地盤工学会中国支部 まさ土斜面内の透水性の違いが斜面の安定性に及ぼす影響に関する研究

毎年のように各地で集中豪雨による斜面崩壊が多発する中,調査・解析によるまさ土斜面の崩壊メカニズムの解明に向けた多くの研究がなされているが,斜面内の透水性の違いを考慮した研究はあまりない。また,現状の設計実務の多くは,斜面安定問題に二次元極限平衡法が用いられているが,浸透流解析で得られる不飽和域の浸透力は通常考慮されていない。そこで本研究は,斜面内の透水性の違いが自由水面の形成に及ぼす影響評価,不飽和域の浸透力が斜面の安定性に及ぼす影響評価ならびに極限平衡法の適用性検証を行い,透水性の違いを考慮した地下水位上昇量と不飽和域の浸透力の影響を考慮することの必要性を考察する。




土木学会 タブレット端末で動作するトンネルの切羽観察アプリケーションの現場活用

山岳トンネルでは,現場職員が切羽観察記録を実施する。切羽観察の時間は支保工施工開始までの時間は数分程度と短く,切羽状況を現地でスケッチして詳細に観察記録を記載することが困難な状況で,切羽の風化変質の程度,亀裂間隔等の重要な地質情報が不正確であったり,記載漏れが生じたりする課題があった。これらの課題を解決するため,タブレット端末で動作する切羽観察アプリケーション(TUNNEL FACE」1)を導入し,現場職員がiPadを携帯し,切羽観察記録簿をiPad上で迅速に作成できる環境を構築した。ここでは,実際に現場で使用した切羽観察アプリケーションの概要,実際の使用状況および導入効果等について報告する。


砂防学会 平成26年8月20日 広島土砂災害における土石流・流木流下防止緊急対策工の設計・施工について

2014年8月20日豪雨により発生した,土石流災害に対する応急対策として実施した強靭ワイヤーネット工の調査・設計・施工と堰堤完成後の撤去・転用の概要について報告する。

砂防学会 平成30年7月豪雨により広島県で発生した土砂災害

平成30年7月豪雨により,中四国地方をはじめとする広い範囲で,土砂災害が多数発生し,甚大な人的被害が発生した。(公社)砂防学会では,この災害の甚大性,広域性に鑑み,各地域での災害調査を行い,二次災害防止や応急対策に関する提言,災害のメカニズムに関る基礎データの収集,今後の土砂災害防止軽減に対する提言などを行うため,土砂災害緊急調査委員会を設置して,災害調査団を派遣することとした。本稿は,第一次緊急調査団として,広島地域における災害調査の結果をとりまとめたものである。

砂防学会 2015年8月の桜島の地殻変動に伴い噴火が発生した場合の火砕流シミュレーション

桜島では,1946年の昭和噴火以降,大規模な噴火は発生していないが,2015年8月15日には,火山性地震の多発や山体の膨張を示す急激な地殻変動の観測により大規模な噴火が発生する可能があるとして,一時,噴火警戒レベル4(避難準備)に達するなど活発な活動が続いている。そこで本検討では,1985年4月9日に南岳で発生した火砕流と,2017年3月25日に南岳の噴火により発生した火砕流の2つの再現計算結果をもとに,2015年8月の地殻変動に伴うマグマが噴出した場合に発生すると考えられる火砕流の流下距離について推定を行った。この結果,2015年8月に上昇したマグマが噴火した場合の火砕流は非常に大規模であり,南岳で噴火して南側に流下した場合には,海岸付近まで火砕流が達する可能性があったことが推測された。


土木学会中国支部 不連続面の摩擦構成則の積分手法を改良したマニフォールド法の開発

不連続性岩盤や石造文化財など内部に不連続面を有する構造の耐震性能評価のため,離散体の数値解析法による検討が進められており,その手法の一つにマニフォールド法(NMM)がある。しかし,従来のNMM では接触中の物体間に生じているせん断力が摩擦強度(Coulomb の摩擦則)を超過した際その場で不釣合い力の再配分を行わず,次のステップで摩擦強度にまで引き戻すというアルゴリズムが採用されており,特に振動解析中の繰り返しせん断時には変位の誤差が蓄積する。そこで本研究では,NMM に摩擦構成則の陰的積分アルゴリズムであるリターン・マッピング法を新たに導入して解析精度の向上を図るようにプログラムを開発すると共に,開発した解析コーの性能効果を検討するため検証解析を実施した。

土木学会中国支部 大型スティック・スリップ試験機による岩盤不連続面の摩擦特性について

スティック・スリップ現象とは,物体間の接触面においてせん断変形中に発生する滑りと応力の蓄積を繰り返す現象であり,地震が繰り返し発生するメカニズムと考えられている。このため,岩石の摩擦現象と地震の発生機構を関連付けた研究がなされるようになった。これまでの岩石を用いた室内試験は,大半は圧縮試験機が用いられており,観測される滑り量が1μm~1mmと非常に小さい。そこで筆者らは,これまでの室内実験よりも大きな滑り量に対するスティック・スリップ現象を観測できるような実験装置を製作し,スティック・スリップ挙動に関する検討を行ってきた。本報告では,更に大きな供試体に対して試験が行えるように,大型の試験装置を新たに開発し,実験を行った結果を報告する。

土木学会(岩盤力学委員会) THE EVALUATION OF STATIC AND DYNAMIC FRICTION PROPERTIES OF ROCK DISCONTINUITIES FROM TILTING AND STICK-SLIP TESTS

Static and dynamic frictional properties of rock discontinuities are of great importance in many rock engineering applications. Nevertheless, experiments on static and dynamic frictional properties of rock discontinuities are very rare. In this study, the authors describe tilting and stick-slip experiments on various natural rock discontinuities and saw-cut planes to determine their static and dynamic frictional properties.

土木学会(岩盤力学委員会) 3次元有限要素法による動的破壊シミュレーションに基づく断層パラメータの違いによる断層周辺の応力変化

断層破壊に伴う断層周辺地盤や隣接する断層の応力変化を評価できるようになると,周辺断層の連動性および活動性評価が可能になり,地震規模や発生確率の予測精度の向上が見込まれる。一般的な地震前後の応力変化は,食い違い弾性論による静的なクーロン応力変化(静的ΔCFF)により評価されることが多く,動力学的破壊プロセスを考慮して評価された事例はほとんどない。本研究では3次元FEM解析に基づく動的断層破壊シミュレーションを用いて,単純な断層を仮定し,断層タイプ,初期応力分布や断層パラメータの違いが,応力変化にどのような影響を与えるのかを静的ΔCFFにより検討するとともに,食い違い弾性論による評価結果とも比較を行った。

土木学会(岩盤力学委員会) 岩盤不連続断面の寸法効果がスティック・スリップ現象に及ぼす影響について

スティック・スリップ現象とは,物体間の接触面においてせん断変形中に発生する滑りと応力の蓄積を繰り返す現象であり,地震が繰り返し発生するメカニズムと考えられている。このため,岩石の摩擦現象と地震の発生機構を関連付けた研究がなされるようになった。筆者らは,スティック・スリップ現象を発生させる実験装置を作成し,様々な岩種の供試体を用いた実験を行ってきた。しかしながら,実験での供試体と実際の地震断層の不連続面の面積は大きく異なり,その寸法効果は不明である。そこで,接触面積の寸法効果を確認するため,供試体の寸法を変えたスティック・スリップ実験を行った。これらの実験結果に基づいて岩盤不連続面の寸法効果がスティック・スリップ現象に及ぼす影響について検討した。

土木学会(岩盤力学委員会) 断層面の形状や地質構造の違いによる強震動断層と変位の比較:神城断層地震を事例として

筆者らは,これまで2014年長野県神城断層地震を事例として,3次元有限要素法を用いて加速度応答と地表面変位を同時に評価できるパラメータの設定方法や,モデル化について検討を行ってきた。この結果,断層のばね定数,メッシュ分割寸法および断層破壊の構成則を適切に設定することで加速度応答と地表面変位の最大値を概ね再現できることが分かってきたが,応答波形の形状や継続時間は再現できていない。これは,断層を平面,地盤を均質とした単純なモデルを用いていることも原因の一つと考えられる。そこで本研究では,調査結果に基づき,表層付近で屈曲している断層面の形状や,地盤の弾性波速度が深さ方向に変化する影響等について検討し,解析精度を向上するために必要なモデル化について評価を行った。

土木学会(岩盤力学委員会) 動摩擦を考慮した完全陰解法DDAによる岩盤斜面振動台実験の再現解析

重要構造物周辺の岩盤斜面の地震時変形量評価を目的として,数値解析手法による検討が進められている。岩盤不連続面に沿った滑り変位量を定量的に評価するには,亀裂の摩擦特性をを精緻に反映可能な手法を用いる必要がある。筆者らは離散体の解析手法の一つである不連続変形法(DDA: Discontinous Deformation Analysis)を対象に摩擦構成則の陰的積分アルゴリズムを導入し,解析精度・数値的安定性の向上を図ってきた。ただし,従来手法では不連続面の静止摩擦角と動摩擦角が一致すると仮定しており,実際の岩石の挙動の再現に限界があった。本研究では上記の完全な陰解法に基づくDDAに静止摩擦から動摩擦への移行アルゴリズムを新たに導入し,既往の岩盤模型振動台実験の再現解析によってその妥当性の検証を行った。

日本計算工学会 マニホールド(NMM)およびDDAを用いた不連続体の地震応答解析

本報告では,大変形弾性不連続体モデルの地震応答解析を,2D-NMM,3D-DDAを用いて入力地振動を強制変位履歴で入力した事例について検討した。不連続体モデルでは,一般に地震波動は入力基盤から不連続面間の摩擦力によって上部構造に伝播する。このような物理現象を再現するためには,微小変形弾性体モデルで多く用いられている加速度入力より,入力基盤への強制変位入力の方がモデルの振動特性や境界条件に左右される要因が小さく容易にモデル化が可能である。またこのような手法は,室内などで行われる振動実験などの再現には物理的な意味からも良く一致することが分かった。

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Simulation of strong motions and surface rupture of the 2014 Northern Nagano Earthquake

本報告では,大変形弾性不連続体モデルの地震応答解析を,2D-NMM,3D-DDAを用いて入力地振動を強制変位履歴で入力した事例について検討した。不連続体モデルでは,一般に地震波動は入力基盤から不連続面間の摩擦力によって上部構造に伝播する。このような物理現象を再現するためには,微小変形弾性体モデルで多く用いられている加速度入力より,入力基盤への強制変位入力の方がモデルの振動特性や境界条件に左右される要因が小さく容易にモデル化が可能である。またこのような手法は,室内などで行われる振動実験などの再現には物理的な意味からも良く一致することが分かった。

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Damage to rock engineering structures induced by the 2016 Kumamoto earthquakes

Two earthquakes occurred in Kumamoto Prefecture in April, 2016. The first earthquake with a moment magnitude of 6.1-6.2 occurred at 21:26 of JST on April, 2016. The second earthquake with a moment magnitude of 7.0 occurred at 1:26 on April 16, 2016. While the first earthquake induced very high ground accelerations in Mashiki town, its effect was quite limited. However, the second earthquake with a higher magnitude caused heavy damage to wide spread damage due to high ground motions and permanent ground straining. In this paper, the authors describe the damage induced on rock engineering structures such as tunnels, foundations of bridges, slopes, pylons and dams and describe their characteristics together with some information of their seismological characteristics. They also discuss their implementations on the seismic design of rock engineering structures.

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Dynamic stability of rock slopes and the effect of reinforcement against planar sliding

The authors have been performing some scaled model tests to investigate the response and stability of rock slopes against planar sliding. In these tests, rockbolts/rockanchors are modelled and their reinforcement effect on rock slopes against planar sliding during ground shaking is investigated. These model tests are also used to check the reliability of the numerical simulations. The authors present the outcomes of both model experiments and numerical simulations and compare their implications on actual rock slopes.

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Stick-slip behavior of rock discontinuities by difference in rock types

The stick-slip phenomenon is used to explain as a mechanism of earthquake recurrence. A number of stick-slip experiments have been performed to clarify the mechanism of recurring slip instabilities and slip weakening. Although the amplitude of sliding of most experiments is quite smaller than actual earthquakes, and the observed acceleration is larger. The authors have developed a new experimental setup, in which blocks move on a conveyor belt and is restrained by the spring, and conducted stick-slip experiments. This experimental setup is able to simulate conditions in actual earthquakes better than previous stick-slip experimental devices. In this study, we conducted stick-slip experiment which focused on difference of the rock types and confirmed the the applicability of this experimental setup and the validity of the result. Moreover, the theoretical results of stick-slip phenomenon indicate the need for taking account of slip weakening and roughness of the contact surface and geometrical shape.

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Two-ways Dynamic Shear Testing of Rock Discontinuities

Dynamic shearing properties of rock discontinuities are of great importance in many rock engineering applications. Nevertheless, dynamic shear tests on rock discontinuities are very rare. In this study, the authors describe two-ways shearing experiments on various natural rock discontinuities and saw-cut planes. Natural rock discontinuities involve schistosity planes in quartzite, green-schist, cooling planes in andesite, saw-cut planes of Ryukyu limestone, Motobu limestone, andesite and basalt from Mt. Fuji, dolomite from Kita-Daitojima, grano-diorite from Ishigaki and Inada granite. Furthermore, these experimental results are compared with those from static and one-way dynamic shearing experiments and their implications in practice are discussed.

ISRM (International Society for
Rock Mechanics)
Application of DInSAR for Monitoring the Ground Deformation due to Volcanic Activity

桜島では2015年8月にマグマの上昇により急激な地殻変動(三体膨張)が観測された。この挙動について,衛星データを使ってDInSARにより時系列解析を面的に行う手法(SBAS)を適用した。この結果,時系列の挙動には気候変動による対流圏遅延の影響がみられた。対流圏遅延の影響を除去するために,実測値に基づく方法と気象データに基づく方法をそれそれ適用したい結果,対流圏遅延による影響を除去でき観測された挙動を再現できるようになった。


土木学会(海洋開発委員会) 成層を考慮したアマモ場における溶存無機炭素の変動解析

北海道道東に位置するコムケ湖を対象とし,水中CO2分圧のモデル化を目的として溶存無機炭素濃度(DIC)モデルの構築を行った。数値解析の結果によると,コムケ湖内で成層が強化されることにより,表層のDICが減少し,水表面付近の水中CO2分圧は大気と比較して低くなることが分かった。また,湖全体としてCO2は吸収傾向であることが分かった。

土木学会(海岸工学委員会) 波・流れ場とアマモ場の相互干渉解析

本研究では,アマモが波・流れ場に与える影響を明らかにすることを目的とした。一様流場におけるせん断力を求めることで,アマモによる流れ場への影響が大きいことが分かった。振動流場で波の進行方向と一致する進行流と逆方向の補償流が周期的に発生し,その間隔はアマモのモード数に関連することが分かった。

土木学会(海岸工学委員会) アマモ場における海水中CO2分圧モデルの開発

東京湾に面する走水海岸を対象として,アマモ場の海水中CO2分圧モデルの構築を行った。海水中CO2分圧は時間的に大きく変動しており,流動等の物理過程,光合成や呼吸といった生物過程等による影響が考えられるため,3次元数値計算モデルによる再現計算を行った。海水中CO2分圧のモデル化では,溶存無機炭素濃度(DIC)に注目し,生物過程を考慮することで観測結果を再現することができた。移流拡散,呼吸,光合成の3成分に関する比較を行った結果,光合成の効果が最も卓越していることが分かった。また,DICの高精度な再現には,潮汐のみならず風も含めた流動の再現が必要であることが分かった。

Estuarine Coastal Sciences
Association,Elsevier
Numerical modelling of the spatial variation of CO2

本研究は,数値計算を利用して,浅海域における海水中CO2分圧を変動させる重要な要因を明らかにすることを目的とした。数値計算の結果,流動場の空間変化が海水中CO2分圧の変動を決定する重要な役割を果たすことを見い出した。また,数値解析モデルの使用が,海水中CO2分圧の分析とCO2フラックスの推定に有益であることを示唆している。


2017年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気設備学会 道路構造の違いによるトンネル照明計画・設計

近年,トンネル照明の光源としてLEDが採用される傾向にある。また,高規格道路においては,限られたトンネル空間で安全かつ走行速度を高めるため,剛性中央分離帯が採用されるケースがある。これらの道路構造の違いによるトンネル照明設計の考え方と試算結果を示す。

電気学会 スマートメーターBルート電力データを活用した生活状態見守りシステムの構築・実証

スマートメーターBルートからインターネットを経由して取得した電力データ1分値を用いて,電気の使用状況の見える化を行うとともに電気の使用操作の有無を知らせる生活状態見守りシステムを構築し,モニタ宅において行っている実証の状況を報告する。

電気学会 テレメータシステムの更新計画及び設計

雨量や水位を観測する単信無線のテレメータシステムは,国の標準規格としてこれまで使われてきたポーリング型から自律型に改修される動きとなっている。ここでは,既設のポーリング型テレメータシステムを自律型テレメータに効率的に更新する設計方法について述べる。





地盤工学会中国支部 マサ土斜面の安定性評価に用いる降雨条件の提案

各地で集中豪雨による斜面崩壊が発生しており,調査・解析による崩壊メカニズムの解明に向けた多くの研究がなされている。これらの大半は,斜面崩壊時の雨量記録に対してなされており,非崩壊時の降雨イベントとの比較や他地点の豪雨に対する研究事例はあまりない。近年,地球温暖化に起因するものと考えられる集中豪雨の多発等によって降雨の地域性が薄れる中,対策工検討等に用いる統一的な降雨特性の設定が不可欠と考える。そこで本論文では,近年の集中豪雨を考慮した浸透流解析を行い,福岡県から中国地方,愛媛県,兵庫県にかけて分布するマサ土斜面の現状評価や対策工検討に用いる統一的降雨条件の提案を行った。

地盤工学会 地表面変位と地下水位のモニタリングに基づく斜面崩壊発生予測 -既存の予測法との比較-

同一地点での地表面変位と地下水位の計測に基づいて,降雨による表層崩壊の発生時刻の予測を行うためのハイブリッド予測法を提案した。これは時々刻々の両者の計測に基づき,任意の時刻における①地下水位-変位関係と,②時間-地下水位関係を非線形近似で求め,式①から計測位置における崩壊時地下水位を求める。それを式②に代入して崩壊発生時刻を求めるものである。ここで①については多数の実験事実に基づき,直接せん断におけるせん断変位-応力比に準じて双曲線関数を仮定した。本手法による予測結果を,人工降雨下の模型斜面での変位計測データを用いて,時間-変位関係をもとに崩壊時刻を予測する福囿式による予測結果と比較した。その結果本提案手法で予測した崩壊発生時刻は,崩壊直前には,徐々に実際の崩壊発生時刻に漸近した。また本提案手法の方が福囿式より安定した予測結果が得られることが判明し,本手法の崩壊予測への優位性が確認された。

地盤工学会 砂質模型斜面における崩壊検知のための計測時間間隔について

のり面・斜面の変状の検知や崩壊予測のための計測として変位・変形の計測が重要であるが,対象とする斜面の規模によって変位の計測に必要な最小の変位(計測精度)と計測の時間間隔が異なると考えられる。本検討では,大型砂質模型斜面に人工降雨を与えて崩壊させた実験で計測された地表面変位を用いて,崩壊直前で変位速度が増加する第3次クリープ区間を対象として異なる計測時間間隔で間引き,この間引いたデータ群が間引く前の変位曲線をどれほどの精度で再現できているかを評価するにより計測に必要な時間間隔の検討を行った。

地盤工学会 砂質模型斜面における崩壊検知のための変位の計測精度について

のり面・斜面の変状の検知や崩壊予測のための計測として変位・変形の計測が重要であるが,対象とする斜面の規模や崩壊の種類によって,変位計測に必要な最小の変位(計測精度)と計測の時間間隔は異なると考えられる。本検討では,大型の砂質模型斜面に人工降雨を与えて崩壊させた実験の地表面変位を用いて,崩壊直前の変位速度が増加する第3次クリープ区間を対象として異なる計測精度で間引き,この間引いたデータ群が間引く前の時間-変位曲線をどれほどの精度で再現できているかを評価した。

地盤工学会 実大規模模型斜面の多段階掘削に伴う崩壊時刻の予測 -福囿式を用いた検討-

建設工事等に伴う掘削中の斜面の崩壊発生を予測するためには,斜面の変位計測に基づく崩壊発生予測手法の確立が求められる。このために本研究では関東ロームよりなる実大規模の模型斜面の掘削を行い,崩壊までの変位の計測を実施した。その結果変位速度は土のクリープ曲線で表されるような単調増加を示すわけではなく,減少を示すこともあった。また変位速度-加速度の関係は,加速度が正の場合と負の場合で別々の線形関係を示すようであった。そのデータを対象に,福囿が導いた変位速度-加速度の関係に基づくいくつかの崩壊発生予測手法を適用した。その結果速度と加速度の両方が正のデータのみを用い,両者の関係を非線形回帰で求める方法による予測手法が最も良好な結果となった。これは加速度が正のデータのみを用いることで,速度-加速度関係が安定するためだと考えられる。

土木学会(水工学委員会) 不飽和域の浸透水圧を考慮したマサ土斜面の安定性評価に関する考察

各地で集中豪雨による斜面崩壊が多発する中,現状の設計実務や各種研究の多くが,降雨浸透問題には二次元FEM飽和・不飽和非定常浸透流解析,斜面安定問題には二次元極限平衡法が用いられている。また,浸透流解析による不飽和域の浸透水圧は,斜面安定性評価に考慮されていない。そこで本研究では,マサ土斜面の簡易モデルを用いて,せん断強度低減法による二次元浸透-応力連成解析を行い,不飽和域の浸透水圧や集中豪雨が斜面の安定性に及ぼす影響検討を行うとともに,極限平衡法による安全率との比較により,従来法の適用性検証を行った。

土木学会中国支部 浸透水圧を考慮した豪雨時の斜面の安定性評価に関する一考察

毎年のように各地で集中豪雨による斜面崩壊が発生しており,広域斜面を対象とした安定性評価手法の確立が喫緊の課題となっている。こうした中,降雨時のすべりに対する斜面安定性評価に係る解析技術は,実験を含む多くの既往研究成果とコンピュータの目覚しい発展とが相まって大きな進展を遂げた。これにより,大きなモデルによるFEM解析や3次元解析が可能となったが,実務への適用性に着目した研究事例はあまりない。本論文では,極限平衡法と浸透-応力連成解析による斜面安定性評価を行い,浸透水圧が斜面の安定性に及ぼす影響と広域斜面・実務への適用性に関する検討を行う。

日本地すべり学会 まさ土模型斜面における崩壊検知のための計測精度について(その1)-変位計測間隔の検討-

のり面・斜面の変状の検知や崩壊予測のための計測として変位・変形の計測が重要であるが,対象とする斜面の規模や崩壊の種類によって,変位計測に必要な最小の変位(計測精度)と計測の時間間隔は異なると考えられる。本検討では,大型の砂質模型斜面に人工降雨を与えて崩壊させた実験の地表面変位を用いて,崩壊直前の変位速度が増加する第3次クリープ区間を対象として異なる計測間隔で間引き,この間引いたデータ群が間引く前の時間-変位曲線をどれほどの精度で再現できているかを評価した。

日本地すべり学会 まさ土模型斜面における崩壊検知のための計測精度について(その2)-計測時間間隔の検討-

のり面・斜面の変状の検知や崩壊予測のための計測として変位・変形の計測が重要であるが,対象とする斜面の規模によって変位の計測に必要な最小の変位(計測精度)と計測の時間間隔が異なると考えられる。本検討では,大型模型斜面に人工降雨を与えて崩壊させた実験で計測された地表面変位を用いて,崩壊直前で変位速度が増加する第3次クリープ区間を対象として異なる計測時間間隔で間引き,この間引いたデータ群が間引く前の変位曲線をどれほどの精度で再現できているかを評価するにより計測に必要な時間間隔の検討を行った。

日本技術士会 合成開口レーダ(SAR)を活用した地形モニタリング

衛星に搭載された合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Rader)を活用して広範囲の地形変化が計測されるようになってきたが,対象とする施設,目的によって必要な計測精度やデータ処理方法が異なることから,手法の確立や計測精度の向上などが課題となっている。本稿では,地すべりや地震・火山による地形変動のモニタリングを目的として,山口大学と共同研究を行ってきた成果を報告する。


砂防学会 まさ土よりなる自然斜面における地下水位形成について -斜面の平面形状の影響-

降雨による自然斜面の崩壊には,斜面内に形成される地下水位が影響を及ぼすことから,発生予測においては降雨時の地下水位の上昇特性を把握することが重要である。降雨時の地下水位は,降雨浸透に伴う地表からの水供給に加え,流域に貯留されている水の影響も受けており,特に渓床付近では後者の影響も大きいと考えられる。降雨浸透に伴う地下水位の上昇は,地形の影響も受けているが,斜面形状によって地下水位がどの程度上昇しやすくなるかを報告した事例は少ない。本研究では,まさ土よりなる直線型斜面と谷型斜面 における現地観測結果を用い,降雨時における地下水位形成について,斜面形状の観点から考察した。

砂防学会 まさ土よりなる自然斜面における渓床付近の地下水位

降雨に伴う斜面崩壊発生には,斜面内に形成される地下水位が影響を及ぼすことから,発生予測においては降雨の地下水位上昇過程を把握する必要がある。これまでにまさ土よりなる自然斜面において地下水位観測を継続して実施しており,それによると渓床付近の地下水位分布は,渓床側が最も高く山側に向かうに伴い低くなる分布傾向を示している。本研究では,渓床付近における地下水位の変動傾向をより広域に把握するため,これまでに地下水位観測を実施してきた右岸側斜面に加えて,左岸側斜面にも水位計を設置し,その観測結果に基づき地下水位分布や降雨時の水位変動傾向について考察した。

砂防学会 まさ土よりなる自然斜面における地下水位上昇過程に関する検討

降雨に伴う斜面崩壊の発生には,斜面内に形成される地下水位が影響を及ぼすことから,発生予測においては降雨時の地下水位上昇過程を把握することが重要である。これまでにまさ土よりなる自然斜面において地下水位観測を継続して実施し,その結果として渓床付近の地下水位は,渓床の表流水の影響を受けること,そして,斜面側に向かうに伴い低くなる分布傾向を示していることを報告した。本研究では,降雨規模と地下水位上昇量の関係および降雨時の地下水位変動から地下水位上昇過程について考察を行った。





地盤工学会中国支部 境港外港地区防波堤整備事業 -中間土地盤の設計せん断強度の適切な評価による建設コスト削減事例-

境港は昭和40年代から大水深岸壁や広いふ頭用地を確保するべく,日本海側に向いた外港地区での港湾施設整備を展開している。外港地区での港湾利用にあたり,冬期風浪や台風等により発生する高波浪に対し,港内の静穏度を確保する必要があり,延長4,150mの防波堤整備事業を進めている。本工事報告は防波堤整備事業の概要と,現在整備中の防波堤延長区間120mについて,既設防波堤から見直した中間土地盤の設計せん断強度の適切な評価により地盤改良が不要となり建設コストが削減できたことに着目し,検討内容および整備状況について報告するものである。

日本自然災害学会 内陸盛土による津波浸水面積低減効果についての試算

2011年東北地方太平洋沖地震の津波では,仙台東部道路(高さ6m前後の道路盛土)に津波減災効果が見られ,大規模津波に対して,海岸堤防以外の内陸盛土による多重防御効果が注目された。奥村他は,2011年東北地方太平洋沖地震における南三陸町の鉄道盛土を対象に,盛土が有る場合と無い場合の2ケースの平面2次元津波解析によって内陸盛土による多重防御効果について検討した。本検討では,奥村他と同様の手法を「南海トラフの巨大地震モデル検討会」の被害想定データに適用して,高知県安芸市の鉄道盛土および徳島県阿南市の道路盛土の2箇所を対象に,内陸盛土による浸水面積低減効果の検討を行った。


土木学会中国支部 平面破壊の可能性のある岩盤斜面の地震時挙動に関する実験的検討

岩盤斜面の耐震安定性評価は,一般的にすべり安全率により評価されてきたが,近年の地震動の増大に伴って変形照査が求められるようになってきた。岩盤斜面の挙動は,内在する不連続面分布の影響を大きいことが知られており,地震時挙動を適切に評価するためには,不連続面で分割されたブロックの挙動を把握することが重要である。そこで本検討では,緩やかな(傾斜角15°)滑り面上のブロックの地震時挙動を把握するため,岩石模型(長さ38cm×高さ13cm)による振動実験を行った。滑り面上のブロックは,不連続面のないシングルブロックと,層状に積み重ねたブロックを用いて,滑りブロックの不連続面分布の有無による影響を比較した。

土木学会中国支部 不連続体解析による岩盤斜面の振動台実験に対するシミュレーション

岩盤斜面の地震時安定性は,一般的にすべり安全率により評価されているが,近年の地震動の増大に伴い,崩壊後の挙動に着目した変形量による評価が求められるようになってきた。しかしながら,崩壊後の挙動については,不連続体解析等による検討もなされているが,事例も少なく,モデル化や解析手法等については確立されていない。このことから,本研究では,岩盤斜面を模した振動台実験結果を基に,不連続変形法等による数値シミュレーションを行い,これらのモデル化や解析手法等の妥当性について検討を行った。

土木学会(岩盤力学委員会) 岩種の違いに着目したスティック・スリップ現象に関する実験的検討

スティック・スリップ現象とは,物体間の接触面においてせん断変形中に発生する滑りと応力の蓄積を繰り返す現象であり,地震が繰り返し発生するメカニズムと考えられている。このため,岩石の摩擦現象と地震の発生機構を関連付けた研究がなされるようになった。本研究では,コンベアーベルトに固定した一定速度で移動する岩石ブロック上に,バネで固定したブロックを載せてスティック・スリップ現象を発生させる実験装置により,熊本珪岩およびトルコ珪岩のブロックを対象とした実験を行った。実験結果から,過去のスティック・スリップ実験や経験的に求まっている地震パラメータとの整合性,岩種の違いによるスティック・スリップ現象への影響等について検討した。

土木学会(岩盤力学委員会) 3次元有限要素法による2014年神城断層地震の地震動再現解析

1999年の台湾・集集地震等の地表面断層による被害事例を契機として,断層近傍の強震動だけでなく,地表面に生じる永久変位をいかに評価するかが課題となっている。そこで著者らは,過去の研究で,3次元有限要素法を用いて2014年長野県神城断層地震を事例として観測記録の再現を行ったが,地表面変位は概ね再現できたが加速度応答は再現できなかった。そこで本研究では,断層のばね定数,メッシュ分割寸法および断層破壊の構成則についてパラメータスタディを実施し,加速度応答と地表面変位を同時に評価できるパラメータの設定方法や,解析手法の適用性を検討した。この結果,適切なパラメータを設定し,メッシュ分割寸法を十分に小さくすることで加速度応答と地表面変位を同時に再現できることが分かった。

ICL(International Consortium
on Landslides)
Improvement of Fukuzono’s Model for time prediction of an onset of a rainfall-induced landslide

Time-prediction methods based on monitoring the displacement of a slope are effective for the prevention of sediment-related disasters. Several models have been proposed to predict the failure time of a slope based on the creep theory of soil, which describes the accelerating surface displacements that precede slope failure. Fukuzono proposed an inverse-velocity method to predict the failure time. Fukuzono’s method has been widely adopted in practice because of its simplicity. However, the actual displacement of the slope is complicated due to the change in the rainfall intensity and the inhomogeneity of the surface layer, and it is not easy to specify the period when the surface displacement accelerates. In this study, we predicted the failure time of a sandy model slope under artificial rainfall using three methods based on Fukuzono’s model using all data from the start of monitoring onwards. The results showed that using all monitoring data results decreased the prediction accuracy and that the accuracy of the prediction improves if the period in which the acceleration of the surface displacement continuously increased could be extracted. Therefore, we extracted the period in which acceleration of the surface displacement continuously increased using a moving average method and predicted the failure time again. This resulted in improved prediction accuracy and the dispersion of the predicted results decreased.

International Association for
Structural Mechanics
in Reactor Technology
Fault rupture simulation of the 2014 Kamishiro Fault Nagano Prefecture Earthquake using 3D-FEM

As the 1999 Chi-chi earthquake and the 1999 Kocaeli earthquake damaged many important structures due to surface rupture as well as a strong motions induced by the earthquake faults, displacement and inclination of ground surface have become the significant issues in engineering. Most analytical methods do not evaluate displacement and strong motions at the same time. Iwata et al. (2016) conducted fault rupture simulation using three dimensional finite element method (3D-FEM) for the 2014 Nagano Prefecture Earthquake caused by the rupture of Kamishiro Fault. While the surface displacement response was in good agreement with the actual displacement, the acceleration response was not well simulated due to FEM mesh size, constitutive relation of fault plane and so on.
In this study, the authors revised simulation conditions such as damping ratio, spring stiffness of joint elements, FEM mesh size of a fault plane and the constitutive relation during stress drop to evaluate the acceleration response together with the consideration of the surface rupture. The computational results confirmed that the displacement and strong motion can be evaluated simultaneously using appropriate constitutive parameters and fine FEM mesh with a size less than 150m.

International Association for Structural Mechanics in Reactor Technology An integrated study on the rock slopes against planar sliding subjected to dynamic loading under dry and immersed conditions

The response and stability of rock slopes during earthquakes are of great concern in relation to transportation facilities, major rock engineering structures such as dams, nuclear power plants and buildings. The rock mass always contains some structural weaknesses such as faults, bedding planes, fracture zones and joints. These structural weaknesses may lead rock slopes to fail in different modes. One of the common failure forms is planar sliding if the major discontinuity plane daylight on the slope surface. The rock slopes may also contain ground water, which drastically influence the effective stress conditions within the slope. In some cases, rock slopes may be fully immersed within the reservoir of dams. When rock slopes are subjected to seismic loads, their stability may be in danger and they may result in their failure. The authors have undertaken an experimental study on the planar sliding mode of rock slopes subjected to gravitational and/or dynamic loads under dry and immersed conditions. The material of model slopes is Ryukyu limestone. The model slopes are subjected to seismic loads under both dry and immersed conditions. The movement of the unstable block, accelerations, and sliding displacements are monitored during the experiments. Some dynamic limiting equilibrium and numerical methods are used to simulate the observed responses of the model slopes. The authors present the outcomes of this experimental program on the planar sliding mode of rock slopes and investigate the principal parameters affecting the behavior of stability of rock slopes through the dynamic limiting equilibrium and numerical methods and discuss their implications.

土木学会(岩盤力学委員会) TWO-WAYS (BI-DIRECTIONAL) DYNAMICSHEAR TESTING OF ROCK DISCONTINUITIES

Dynamic shearing properties of rock discontinuities are of great importance in many rock engineering applications. Nevertheless, dynamic shear tests on rock discontinuities are very rare. In this study, the authors describe two-ways shearing experiments on various natural rock discontinuities and saw-cut planes. Natural rock discontinuities involve schistosity planes in quartzite, green-schist, cooling planes in andesite, saw-cut planes of Ryukyu limestone, Motobu limestone, andesite and basalt from Mt. Fuji, dolomite from Kita-Daitojima, grano-diorite from Ishigaki and Inada granite. Furthermore, these experimental results are compared with those from static and one-way dynamic shearing experiments and their implications in practice are discussed.


土木学会論文集B3(海洋開発)
Vol.73, No.2
波・流れ場とアマモの連成モデルの構築

本研究では,波・流れ場とアマモの連成に注目し,アマモの移動速度を未知数としたアマモモデルを提案し,その再現性の検討を行った。その結果,一様流を与えた室内実験との比較により,抗力係数やヤング係数を決定することができ,その値を利用して振動流場における再現を行い,良好な再現結果を得ることが出来た。

水文・水資源学会
2017年総会・研究発表会
波・流れ場とアマモの連成モデルの開発

本研究では,アマモの移動速度に着目し,抗力・浮力・摩擦・弾性体を考慮したアマモモデルを作成した。また,波・流れ場とアマモの動きを連成し,アマモの形状およびアマモ場における流速を同時に再現した。さらに,このアマモモデルをより高精度にするために新たな条件を提案し,再現・検証を行った。

土木学会論文集B2(海岸工学)
Vol.73, No.2
都市型浅海域における海水中CO2分圧の日周変化

本研究では,平潟湾における海水中CO2分圧の時空間的な日周変化を把握し,その変動要因について検討することを目的とした。始めに,平潟湾内で昼夜観測を実施した結果,海水中CO2分圧は夏季に大気中CO2分圧よりも低くなるところが確認されたものの,概ね海水から大気への放出傾向にあった。次に,海水中CO2分圧に係る環境要因の影響度を把握するためにパス解析を行った。解析の結果,潮位変化や風速による影響は小さく,主に水温に起因する「都市排水・生物過程等による影響」を受けて,DIC(溶存無機炭素濃度)とTA(全アルカリ度)の作用により,海水中CO2分圧の変動をほぼ説明できることがわかった。


2016年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気学会 電気使用量30分値を用いた高齢者見守りの検証
電気設備学会 予備発電設備の設置設計における危険物取扱の検討




日本応用地質学会 H26広島豪雨災害に係る支部アウトリーチ活動
土木学会 中国支部 地震時残留変形解析手法(ニューマーク法)を用いた盛土安定解析に関する考察
地盤工学会中国支部論文報告集
「地盤と建設」
基礎杭の表面粗度が管理型海面処分場の底面遮水機能に及ぼす影響
地盤工学会関東支部 膨潤材塗布が廃棄物処分場に打設する杭の廃棄物連込み現象に及ぼす影響
中国地質調査業協会 岩盤中の透水性把握のための地質的調査手法
地盤工学会中国支部論文報告集
「地盤と建設」
浸透水圧を考慮した斜面の安定性評価と簡易的な評価手法の提案

毎年のように全国各地で集中豪雨による斜面崩壊が発生しており,広域斜面を対象とした安定性評価手法の確立が喫緊の課題となっている。こうした中,降雨時の斜面安定性評価に関する解析技術は,実験を含む多くの既往研究成果と至近20年のコンピュータの目覚しい発展とが相まって大きな進展を遂げた。これにより,大きなモデルを対象としたFEM解析や3次元解析が可能となっているが,実務への適用性に着目した研究事例はあまりない。本論文では,極限平衡法と浸透-応力連成解析による斜面安定性評価を行い,浸透水圧が斜面の安定性に及ぼす影響の評価,広域斜面・実務への適用に着目した簡易的な評価手法の提案を行う。


土木学会 中国支部 老朽化鋼トラス橋の耐荷力評価に関する解析的検討
IAMBAS 2016 Renovation of Corroded Steel Member with Resin and Rebars

土木学会水工学委員会 近年発生した表層崩壊の発生規模と降雨・地質特性との関係に関する研究

近年,2014年の広島災害,2011年の那智川災害など大規模な表層崩壊が発生している.これらの災害による被害を軽減するには,予想される降雨分布や地質特性から崩壊発生を予測し,およその崩壊規模や分布を推定し住民避難につなげることが重要である.
                 本研究では,まず,2014年の広島災害,2013年の萩・津和野災害,2011年の那智川災害,2010年の庄原災害,2009年の防府災害,1999年の広島災害を例に挙げ,災害時の降雨分布や崩壊状況,地質特性を調査し比較検討を行った.次に,それぞれの災害について,最大時間雨量と崩壊密度との関係を整理し,短時間雨量もしくは長時間雨量のどちらが表層崩壊に強く寄与しているかを検討した.最後に,流量観測の成果から,タンクモデルのパラメータ設定が可能な花崗岩エリア(2014年の広島災害・2009年の防府災害・1999年の広島災害)について災害時の雨から再現計算を行い,計算結果と実際の崩壊規模を比較することでタンクモデルにより崩壊規模を予測する手法を提案した.

土木学会西部支部 広島西部山系における土石流発生危険度評価の精度向上に関する検討
砂防学会 風化花崗岩地帯における平面形状の異なる斜面の降雨時の地下水位上昇について
日本地すべり学会 福囿式を用いた斜面崩壊発生時刻の予測精度の向上

斜面崩壊発生時刻を予測する方法として,伸縮計などによる地表面変位の計測データを用いてクリープ破壊理論に基づいて予測する方法が福囿により提案され,実務でも用いられてきた.この方法は,崩壊直前の累乗的に移動速度が急増する3次クリープ段階の特性を利用したものであるが,実斜面の崩壊挙動では3次クリープ段階に入っていることを判断するのは容易でない.このことが福囿による予測式を実務に適用する際の課題となっている.そこで本検討では,降雨による模型斜面の崩壊実験で観測された地表面変位データを用いて,福囿が提案している予測式の適用性と予測精度の検討を行った.


土木学会土木計画学研究委員会 生活道路における交通事故危険箇所予測モデルに関する研究
土木学会土木計画学研究委員会 観光地におけるパーク&シャトルバスライド施策による観光行動変化について




土木学会海洋開発委員会 潮位を利用した航路航行実態に関する分析
日本航海学会 橋梁のレーダ映像のマスキング特性とレーダ反射強度
国土技術政策総合研究所資料
No.923
衛星AISを用いた北極海航路航行実態に関する研究



土木学会 トンネル切羽観察アプリの開発とビッグデータ化への試み

西日本岩盤工学研究会 岩盤不連続面のスティック・スリップ挙動に関する実験的検討

スティック・スリップとは,接触する2面がせん断変形中において固着とすべりを繰り返す現象である.岩盤工学の分野では,地震の周期的な発生を説明するのに非常に重要な現象であるとされ,岩石の摩擦現象を地震の発生機構と関連付けた検討がなされてきた.しかしながらこれらの研究は,実験条件のパラメータが加速度やすべり量,応力降下量などの実験結果にどのような影響を与えるかに関する報告は少なく,圧縮試験機を用いたものが大半である.上記実験において観測されるすべり量は非常に小さく,破壊時のすべり加速度のピーク値が非常に高くなっており,これは実際の地震の値と大きく異なっている.そこで本研究では,これまでの室内実験よりも大きなすべり量に対するスティック・スリップ現象を観測できるように,新たな実験装置を既往の実験装置を改良して製作し,実験条件のパラメータを変えて室内実験を行った.この結果を既往のスティック・スリップ実験や摩擦試験の結果と比較して実験装置と実験結果の妥当性を評価するとともに,種々の条件が加速度や荷重降下量,すべり量に与える影響について検討を行った.

西日本岩盤工学研究会 振動実験に基づく斜面上の岩盤ブロックの地震時挙動評価と解析的検討

岩盤斜面の地震時安定性は,一般的に,震度法に基づくすべり安全率による評価によりなされている.また,原子力発電所など重要度が高い土木構造物の場合においては,動的FEM解析を用いた検討が実施されているものの,安定性評価はすべり安全率に基づき実施されている.一方で,近年の地震動の増大に伴い,すべり安全率による評価では地震時安全性を確保できないケースが多くなっており,崩壊後の変形量による評価が望まれるようになってきている.原子力施設の周辺斜面の評価においても,崩壊した岩塊や土砂に対する施設の機能保持により耐震性を評価できるようになっている.しかしながら,崩壊後の挙動を評価することは容易でなく,実際にはすべり安全率による評価に留まっている.これに対して,岩盤斜面の崩壊後の挙動を評価ができるように,崩壊事例や実験の有限要素法や不連続体解析等による検討3),4)もなされてきているが実用化に至っていない.また,岩盤斜面の不連続面沿いのすべりに着目した事例は少なく,実斜面における地震時挙動を観測した事例もほとんどない.このことから本論文では,不連続面を有する岩盤斜面の地震時挙動の把握を目的として,振動台実験を行うとともに,Newmark法,有限要素法(FEM)および不連続変形法(DDA)により数値シミュレーションを行い,解析手法やモデル化の適用性について検討を行った.

ISRM(岩の力学連合会) Stick-slip behavior of rock discontinuities and its implications in the estimation of strong motions during earthquakes

The authors have developed a new experimental setup, in which blocks move on a conveyor belt and is restrained by the spring, to study the stick-slip responses under various conditions. During experiments, the velocity of the conveyor belt, stiffness of springs and block weight are varied to study their effect on the periodicity as well as associated accelerations, shear stress and shear displacement during the entire cycle of the stick-slip motion. In this paper, we present the outcomes of this experimental program, and the applicability of this experimental setup and the validity of the result are examined by the comparison with the results of previous stick-slip and frictional experiments. This experimental setup is able to simulate conditions in actual earthquakes better than previous stick-slip experimental devices. The results of this experiment are quite similar to the relations of the earthquake parameters decided from earthquake observations, and are consistent with those of previous stick-slip experiments. From experiments so far, we are able to confirm the applicability of this experimental setup and the validity of the results. Therefore, this experimental setup is expected to lead us to evaluate a relation among seismic parameters and magnitude of the earthquakes due to a difference in strength of faults and stiffness of crust.

ISRM(岩の力学連合会) An experimental study of the planar sliding of rock slopes during dynamic loading under dry and immersed conditions

The response and stability of rock slopes during earthquakes under dry and submerged conditions are of great concern in relation to transportation facilities, major rock engineering structures such as dams, nuclear power plants and buildings. The recent earthquakes such as 1999 Chi-chi earthquake, 2005 Kashmir earthquake, 2008 Wenchuan earthquake, 2008 Iwate-Miyagi intraplate earthquake and 2014 Gorkha earthquake caused huge damage to transportation facilities, engineering structures and casualties. For example the casualties were more than 4000 people in Beichuan town, which was destroyed by huge rock slope failures from the both sides of the mountain. The authors have undertaken an experimental study on the planar sliding mode of rock slopes subjected to gravitational and/or dynamic loads under dry and submerged conditions. Model slopes were made of Ryukyu limestone of coral and sandy type. The model slopes are subjected to seismic loads under both dry and immersed conditions. The second series of experiments were carried out by tilting the base blocks so that the planar sliding failure is induced under both dry and immersed conditions. The movement of the unstable block, accelerations, AEs and water pressure variations were investigated during the experiments. The authors will present the outcomes of this experimental program on the planar sliding mode of rock slopes and investigate the principal parameters affecting the behaviour of stability of rock slopes. The outcomes would be also used to check the applicability of various numerical techniques in practice.

ISRM(岩の力学連合会) スティック・スリップ現象の断層運動への適用性に関する実験的および解析的検討

スティック・スリップ現象とは,物体と物体の接触面においてせん断変形中に発生する滑りと応力の蓄積を繰り返す現象であり,地震が繰り返し発生するメカニズムと考えられている.このため,岩石の摩擦現象と地震の発生機構を関連付けた研究がなされるようになり,摩擦則に基づく理論的な研究や静的な実験は盛んに行われてきたが,動的な実験は少ない.そこで本研究では,コンベアーベルトに固定した一定速度で移動する岩石ブロックの上に,バネで固定したブロックを載せてスティック・スリップ現象を発生させる実験装置を新たに作成し,ブロック表面の粗度,移動速度,バネ剛性,接触面の垂直応力等を変えた実験を行った.この結果を経験的に求まっている地震パラメータの対比と,既往の実験結果との比較により実験装置と実験結果の妥当性を評価するとともに,実験結果のシミュレーションによる解析的な検討を行い,断層運動への適用性を検討した.

ISRM(岩の力学連合会) 不連続面を有する岩盤斜面の地震時安定性に関する実験的および解析的検討

岩盤斜面の地震時安定性は,一般的にすべり安全率により評価されているが,地震動の増大に伴い,崩壊後の挙動に着目した変形量による評価が望まれてきている。しかしながら,崩壊後の挙動については,不連続体解析等による検討もなされているが,不連続面の動的な強度や変形特性など未解明な部分も多い。このことから,本研究では,不連続面を有する岩盤斜面の地震時挙動を把握するため,斜面上にブロックを設置した模型を作成し振動台実験を行った。実験では,傾斜実験により摩擦係数を把握するとともに,正弦波および振幅調整した2008年岩手・宮城地震を入力地震動として,各種計器により加速度および変位の計測を行った。また,本実験結果を基に,Newmark法,有限要素法(FEM),不連続変形法(DDA)などにより数値シミュレーションを行い,各手法の適用性について検討を行った。


日本地球惑星科学連合 日本の浅海域における海水中CO2分圧に係る現地観測とパス解析

2010年~2015年に実施した現地観測と統計解析(パス解析)を用いて,海水中CO2分圧に直接的または間接的に影響を及ぼす環境要因を検討し,因果関係の相対的な影響度を推定した.対象サイトは,風蓮湖,コムケ湖,走水海岸,野島水路,松輪干潟,盤洲干潟,富津干潟,吹通川河口,白保海岸,名蔵湾の計10ヶ所とし,海水中CO2分圧とその環境要因の測定を行った.パス解析では,因果関係の強さについて様々な推定・検証を行った.

土木学会論文集B3(海洋開発)
Vol.72, No.2
春季出水期におけるコムケ湖の水質変動解析と大気-海水間CO2フラックスの推定

北海道コムケ湖の春季出水期における生物過程(光合成,呼吸・分解等)を考慮した海水中CO2分圧と塩分の関係性を把握するとともに,3次元流動解析による再現計算を行い,湖全体における大気-海水間CO2フラックスの推定を目的とした.2013年春季のコムケ湖の現地観測データを用いて,生物過程による海水中CO2分圧への影響を検討し,湖内の流動・水質変動特性および大気-海水間CO2フラックスについて把握した.

土木学会論文集B2(海岸工学)
Vol.72, No.2
湧水に着目したコムケ湖の水質変動特性の把握

北海道コムケ湖において,融雪に伴う湧水に着目した春季および夏季における流動解析を行い,干潟域を含む湖全体の水質変動特性について把握した.湧水の影響により海水中CO2分圧の上昇が懸念されたが,塩分,DIC,TAの各挙動が互いに打ち消すように働いていることから,海水中CO2分圧の変動は限定的であることが示された.また,湧水自体がコムケ湖内全域へ及ぼす影響は,湖内の生物過程(光合成,呼吸・分解)による影響よりも約1/10程度未満のオーダーで小さいことが分かった.

土木学会 錦海ハビタットにおける湿地の生物多様性空間の創出事業

2015年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気・情報関連学会 中国支部 電気使用量を用いた独居高齢者見守り実証システム
電気学会 電気・情報・システム部門 ビーコンを用いた移動体集合管理システム




日本応用地質学会中国四国支部 地質の違いから見た土石流の性状と解析的検討
地盤工学会 基礎杭を用いた海面管理型廃棄物処分場の高度利用について
地盤工学会 平成26年8月に広島まさ土斜面で観測された降雨浸透と斜面の変形
地盤工学会 平成26年8月豪雨時の広島まさ土斜面の降雨浸透・流出特性について
日本地すべり学会 豪雨時の広島まさ土斜面で観測された地下水位について

土木学会 道路橋の設計合理化に向けた荷重モデルの検討
土木学会 中国支部 腐食した高力ボルトの残存軸力に関する基礎的研究

砂防学会 火山砂防における統合型UAV災害調査システムの現場検証について
砂防学会 過去の表層崩壊の崩壊特性と降雨分布との比較
砂防学会 土砂災害警戒情報に関する現状と課題
土木学会 統合型UAV災害調査システムその(1)-自律航行型無人ヘリ(RMAX G1)地形計測・調査支援システム-
土木学会 統合型UAV災害調査システムその(2)-マルチロータ型小型UAVを用いた無線センサ地山動態監視・通信システム-
土木学会 中国支部 平成26年8月20日広島豪雨災害で発生した土石流の特徴に関する一考察
日本シミュレーション学会論文誌 静水状態を考慮できる有限体積法による段波の再現

日本学術会議総合工学委員会 700MHz帯車車間通信を用いた路面電車-自動車の安全走行支援システムプロトタイプの開発
土木学会 中国支部 交通データ収集アプリケーションの開発とそのデータ分析結果
土木学会 中国支部 地域特性に応じたスマートIC整備に期待する効果の違いに関する一考察




日本航海学会 船舶交通環境の新たな危険度評価に関する基礎的研究-Ⅰ
Coastal Sediments 2015 TRACKING NOURISHED SAND GRAINS ON THE ERODING TIDE-DOMINANT LOW ENERGY BEACH
土木学会 中国支部 港湾運営のあり方に関する基礎的研究



土木学会 中国支部 エネルギー施設の耐震特性と防災計画についての一考察



土木学会 統計的エネルギー解析法によるトンネル防音扉の効果予測に関する考察
土木学会 トンネル覆工コンクリート側壁部における表面気泡の低減のための基礎実験
土木学会 中国支部 デジタルフィルタ処理によるトンネル発破音の距離減衰の考察

土木学会 岩盤力学委員会 2次元および3次元有限要素法による2014年神城断層地震の断層運動シミュレーション
土木学会 岩盤力学委員会 不連続変形法(DDA)を用いた巨礫を含む土石流の解析的検討

港湾空港技術研究所/
港湾空港技術研究所資料No.1309
港湾におけるブルーカーボン(CO2吸収と炭素隔離)の計測手法のガイドライン
土木学会 海岸工学委員会 国内の様々な浅海域における海水中CO2分圧の実測と統計モデルによる予測
応用生態工学会 遺伝子情報を活用した河川事業に関する評価法の研究



土木学会 中国支部 全方位カメラの河川構造物管理適用への一考察

2014年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気設備学会 共同蓄電池からの宅内電力供給装置の開発
電気設備学会/学会誌11月号 トンネル照明のLED化
計測自動制御学会 中国支部 若葉台スマート・グリッド・タウン技術実証における計測制御技術
電気学会 太陽光発電の共同蓄電と宅内電力供給を行う直流配電システム
電気学会 GPSロガーを用いたEV管理システム




日本応用地質学会 地質の違いから見た土石流の個性と被災状況
土木学会/
論文集A1(構造・地震工学)
Vol70,NO.4 D3(土木計画学)
不同沈下する粘性土地盤上の砂質地盤のN値に変化に関する実験的研究
ISSMGE /
TC303, FLIP consortium
The effect of liquefaction on the damages of factories in the Great East Japan Earthquake Disaster and on the damage estimate by the Nankai Trough Earthquake
ISSMGE/
TC304, FLIP consortium
Measurement of the Earth Pressure in Centrifuge Tests ~Focusing on the Variation due to the Settlement~
ISSMGE/
TC305, FLIP consortium
A study on seismic resistance evaluation methods with the consideration of the effect of rainfall
地盤工学会中国支部/
論文集(地盤と建設)
アーチ効果を受ける埋立地盤内の土圧の遠心力場での計測
地盤工学会/
地盤工学ジャーナルVol9,NO.4
港湾構造物の健全度診断のための表面波探査の適用性の検討
土木学会 中国支部 弾性波動論に基づく動的相互作用に寄与する地盤の有効質量の検討

2nd AUSTRALASIA AND
SOUTH EAST ASIA CONFERENCE
IN STRUCTURAL ENGINEERING AND
CONSTRUCTION/
ASEAN-SEC-2
Evaluation for residual axial force of corroded high tensile bolts
土木学会 構造全体からみた鋼橋の保有強度に関する一考察

砂防学会 RBFネットワークを用いた土壌雨量指数の確率評価について
砂防学会 桜島における地形・土砂変動の現状
砂防学会 花崗岩地域における山地の開折程度と土層厚の関係についての一考察
砂防学会 人工降雨実験におけるまさ土斜面の降雨浸透と側方流量の発生
砂防学会/
International Journal of
Erosion Contorol Engineering
Vol7,NO.2,2014
Landslide-triggering Rainfall Thresholds after Major Earthquakes for Early Warning
地盤工学会/
地盤工学ジャーナルVol9,NO.2
現地計測に基づく降雨に伴うまさ土斜面のせん断変形挙動の評価
Research Center CERI/
Italian Journal of Engineering Geology
and Environment,
Book Series (6), 2013
Rainfall Thresholds for Deep-Seated Rapid Landslides

土木学会/
論文集D3(土木計画学)Vol70,
NO.5(土木計画学研究・論文集第31巻)
プローブデータを利用したボトルネック交差点とその影響範囲の特定方法



電力土木技術協会/
協会誌5月号
カンボジア国ラタナキリ州小水力発電所建設および改修計画

日本応用地質学会
中国四国支部
島根半島における津波堆積物調査について(佐陀本郷および千酌の事例)
岩の力学連合会、
国際岩の力学学会(ISRM)
Rock Slope Behavior by Seismic Response Analysiswith Multiple Yield Model
土木学会 不連続面を有する岩盤斜面の地震時安定性に関する解析的検討

土木学会 中国支部 遺伝子情報からみる魚道移動環境の評価に関する研究
日本地球惑星科学連合 石垣島浅海域の大気-海水間CO2フラックスに関する現地調査とパス解析
土木学会 海洋開発委員会 北海道コムケ湖における大気-海水間CO2フラックスの空間分布特性と要因分析
Steve Long/
Global Change Biology (2014) 
Net uptake of atmospheric CO2 by coastal submerged aquatic vegetation



土木学会/
論文集F3(土木情報学)
Vol. 70,No. 1
SCE-UA法を用いたタンクモデルの最適構造構築に関する一考察

2013年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気学会産業応用部門大会 太陽光発電を有効利用する直流蓄電・給電システムの開発と運用
電気設備学会全国大会 若葉台スマートグリッド実証における計測システムとCEMSの構築
電気設備学会/
学会誌 8月号
事例紹介 世界遺産「大森」の無電柱化整備について

土木学会/
論文集A1(構造・地盤工学)
Vol69,NO4(地盤工工学論文集第32巻)
東日本大震災における沿岸部埋立地の液状化が工場被災に伴う企業の特別損失におよぼす影響
土木学会 地震工学委員会 不同沈下する粘性土地盤上の砂質地盤の液状化に関する実験的研究

7th International Conference on
Bridge Maintenance,
Safety and Management
Remaining strength test of riveted joint of a bridge used for about 100years

砂防学会 広島まさ土斜面における縦断2次元方向の降雨浸透に対する高密度観測
砂防学会 ニューマーク法を用いた地震動の斜面安定性に与える影響の評価
砂防学会 桜島における地形・土砂変動の現状
砂防学会 土砂災害警戒情報の地震後暫定基準の妥当性に関する検討
砂防学会 生産土砂量予測のための表層崩壊発生予測モデルへの堆積土砂の再移動過程の取り込み
砂防学会 表層崩壊における土砂生産量の算出手法の高度化
砂防学会 砂防堰堤周辺における土砂の流下堆積状況の調査
砂防学会 土壌水分特性の現地計測と室内試験の比較
砂防学会/砂防学会誌 河道閉塞湛水池の排水手段としての推進工法の適用について
砂防学会/砂防学会誌 2013年7月28日に山口県東部および島根県西部で発生した局地的集中豪雨による土砂災害
砂防学会/砂防学会誌 2013年7月29日~8月1日豪雨により、新潟県長岡市、出雲崎町で発生した土砂災害
土木学会/論文集F6(安全問題)
Vol69,NO1
少ない斜面危険度の判定基準データから作成した仮想データを用いた斜面危険度評価
Italian Journal of Engineering Geology
and Environment
RAINFALL THRESHOLDS FOR DEEP-SEATED RAPID LANDSLIDES
斜面動態モニタリング研究会 宮内地区2次元銃弾方向の降雨浸透過程の観測について
斜面動態モニタリング研究会 H23人工降雨実験における側方流の発生メカニズムについて

土木学会土木計画学研究発表会 民間プローブデータを用いたボトルネック交差点とその影響範囲の特定方法に関する分析

Asia Navigation Conference 2013 Echo Paint Characteristics from the Small FRP Boat on the Radar Screen



土木学会中国支部研究発表会 近接施工などによる既設トンネル覆工コンクリートの影響評価に関する考察
土木学会全国大会 トンネル内遮煙壁に対する近接トンネル発破振動による影響検討
土木学会全国大会 石炭灰を用いた吹付けコンクリートの強度発現特性に関する室内試験による検証

Laboratoire de mécanique des roches, Ecole Polytechnique
Fédérale de Lausanne/
1st International Conference on
Rock Dynamics and Applications
Fundamental studies on dynamic properties of rock joint under cyclic loading using mortar and Ryoke gneiss
土木学会第42回
岩盤力学に関するシンポジウム 
大型構造物基礎地盤における岩盤不連続面の3次元分布を考慮した変形挙動に関する解析的検討
電力土木技術協会/
電力土木 平成25年9月号
岩盤中の割れ目の動的試験装置の開発と動的物性の把握
International Journal of
Rock Mechanics and
Mining Sciences/
Vol.60. pp. 196-207
Applicability of the earthquake response analysis using Multiple Yield Model for discontinuous rock
土木学会/論文集C,Vol.70,pp.16-32 岩盤の不連続面を考慮した大型構造物基礎の地盤応答解析-東北地方太平洋沖地震を基本事例として-

土木学会海洋開発委員会 北海道風蓮湖における大気-海水間CO2フラックスに影響を及ぼす要因
土木学会全国大会 沿岸域における大気-海水間CO2フラックスの文献調査と多変量解析
土木学会海岸工学委員会 浅海域における大気-海水間CO2フラックスの予測手法の検討
土木学会中国支部研究発表会 遺伝子情報を活用した河川事業に関する評価手法の研究
応用生態工学会 河川事業の影響評価等における遺伝情報に活用化に向けた研究
日本生態学会 中国地方の半自然草原を利用する県条例指定種の保全についてイヌワシの夏期の採餌環境の分布変化

2012年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気設備学会 太陽光発電を有効利用する直流蓄電・給電システム
電気・情報関連学会
中国支部連合大会
太陽光発電の供給先切替えによるEV共同蓄電の提案

SECOND INTERNATIONAL
CONFERENCE ON PERFORMANCE-BASED DESIGN IN EARTHQUAKE
GEOTECHNICAL ENGINEERING
AN ANALYTICAL EVALUATION OF THE VARIATION OF LIQUEFACTION RESISTANCES OF SAND LAYER ABOVE A CLAY STRATUM WITH UNEVEN SETTLEMENT
15th World Conference on
Earthquake Engineering
An FEM simulation on the seismic induced deformation of SCP improved ground considering the inter-pile ground conditions.
地盤工学会中国支部 不同沈下した粘性土層上の砂質土層における液状化の発生に関する解析的評価
地盤工学会中国支部 SCP改良地盤における杭間粘性土の状態が地震による変形に与える影響
土木学会地震工学委員会 異方圧密状態の砂の動的変形特性に及ぼす載荷振動数の影響
土木学会地震工学委員会 東日本大震災による沿岸部埋立地の液状化と工場被災額の関係

構造物の維持補修
技術研究会(RAMS)
腐食したリベット継手の強度実験
土木学会構造工学
論文集編集小委員会/
構造工学論文集
約100年間供用された橋梁のリベット継手の残存強度試験

日本建築学会/
Journal of Architecture,
Planning and Environmental Engineering (Transactions of AIJ)
(日本建築学会計画系論文集)
vol.78 no.683 2013年1月号
Study on the Design Method of Erich Mendelsohn based on the Forml Analysis of the Sketches for the Einstein Tower(アインシュタイン塔のスケッチの形態分析にもとづくエリッヒ・メンデルゾーンのデザイン手法に関する研究)

Japan Geoscience Union Meeting 2012 Deep catastrophic landslide occurrence and heavy rainfalls
砂防学会 火山灰等の堆積に起因する土石流の発生危険度評価に関する一提案
砂防学会 桜島における地形・土砂変動の現状
砂防学会 小型無人飛行機を活用した土砂災害対策の一事例について
砂防学会 深層崩壊を引き起こした降雨の特徴
砂防学会 広島まさ土斜面における鉛直降雨浸透の高密度観測および人工降雨実験
砂防学会 水分特性曲線の形状に影響を及ぼすパラメータに関する考察
砂防学会 現地計測に基づく降雨時のせん断変形と水分特性曲線の関係
砂防学会/
砂防学会誌 Vol.65,No.4
平成24年7月九州北部豪雨による阿蘇地域の土砂災害
砂防学会/
砂防学会誌 Vol.65,No.6
土砂災害緊急情報における「時期情報」の精度向上に関する一考察~降灰等の堆積に起因する土石流の発生危険度評価~
土木学会 全国大会 サポートベクターマシーンを用いた大規模崩壊発生要因分析に関する一考察
土木学会/
土木学会論文集F6(安全問題)
Vol. 68 (2012) No. 1
既存データの活用による災害発生危険度に応じた土石流危険渓流の評価ルールの設定
土木学会 
西部支部/土砂災害に関する
シンポジウム論文集
2010年広島県庄原市において発生した崩壊型土石流の流出特性について
地盤工学会 広島まさ土斜面の降雨におけるせん断変形と水分特性曲線の関係

土木学会 
海洋開発委員会
水理模型実験結果によるケーソン式混成堤の変形量簡易推定手法に関する研究
土木学会 全国大会 水理模型実験結果によるケーソン式混成堤の変形量簡易推定手法に関する研究

土木学会 常時観測道路交通データを用いた渋滞状況の動的変化に関する分析
Messe Wien/
ITS世界会議ウィーン2012
The Application of Probe-Based Traffic Efficiency Evaluation to Actual Operations(プローブデータを用いた交通円滑性評価の実務への適用)
ITS Japan プローブデータを用いた交通円滑性評価の実務への適用

日本航海学会 Signal Analysis of Radar Echoes from the Small FRP Boat



土木学会 全国大会 統計的エネルギー解析法を用いたトンネル防音扉の発破音低減効果
土木学会 全国大会 発破掘削によるトンネル坑内の音圧分布の把握と騒音レベル予測法の提案
COEX(Convent&Exhibition),
SEOUL,KOREA
International Symposium on Tunnelling and Underground Space Construction for Sustainable Development(TU-Seoul2013)

土木学会/
土木学会論文集
大型構造物基礎地盤の自信挙動における複合降伏モデルの適用性
International Journal of
Rock Mechanics & Mining Sciences
Applicability othemultiple yield model for estimating the deformation of vertical rock walls during large-scale excavations
計算工学会 2011年東北地方太平洋沖地震における不連続性岩盤の地震応答に対する複合降伏モデルの適用性
電力土木技術協会/
電力土木
領家変成岩における割れ目の静的物性について
日本応用地質学会
中四国支部
ボーリングコアの硬さ区分の定量的評価について
岩の力学国内シンポジウム、
岩の力学連合会
三次元複合降伏モデルによる原位置せん断試験の解析的検討
岩の力学国内シンポジウム、
岩の力学連合会
モルタル供試体による割れ目の動的物性に関する基礎的な検討
岩の力学国内シンポジウム、
岩の力学連合会
Experimental studies on dynamic properties of rock joint under cyclic loading- Preliminary tests by artificial joint of mortar specimens -
岩の力学国内シンポジウム、
岩の力学連合会
岩盤不連続面の動的試験装置の開発

日本沿岸域学会 東日本大震災を踏まえた漁業地域の防災対策緊急点検調査結果について~地震防災対策推進地域
日本自然災害学会 地震防災対策推進地域における個別地区に係る避難経路等配置計画(案)の作成事例報告

日本地すべり学会 地すべりにおける調査・試験・解析について
~透過X線写真を用いたすべり面の特定例~

土木学会水工学委員会 砂層河岸に堆積した有機泥の浄化技術の評価
日本緑化工学会・
日本景観生態学会・
応用生態工学会
事業に伴う河川環境調査における生物の遺伝情報活用に関する方向性~生物の遺伝情報を河川事業の影響評価へ活用する計画について~

2011年度

分野 学会・委員会/
論文集
論文名



電気設備学会 トンネル照明設計の紹介
電気設備学会 トンネル照明の基準と設計への適用
電気設備学会 庁舎内実験用マイクログリッドシステムの構築
日本電気技術者協会 太陽光発電・小型風力発電の基礎知識と設置技術
日本電気技術者協会 太陽光発電と蓄電池の実験設備の構築
電気学会C部門 太陽光発電と電力消費の計測に基づく蓄電池容量算定
日本技術士会中国支部 スマートグリッドを取り巻く技術とビジネス展開
日本技術士会中国支部防災委員会 東日本大震災を考える-電力システムの被害と課題-
中国電力株式会社
エネルギア総合研究所
スマートグリッドと地域展開
(株)電気情報社 泥濃式破砕型推進による長距離・超急曲線施工 中国電力・大元線ケーブル張替工事にみる地中送電線工事技術の最前線

地盤工学会第46回研究発表会 堤防の地盤被害と基礎地盤条件の関係に関する分析

土木学会中国支部研究発表会 土木設備の維持補修の要否に関する評価ルール設定方法の提案
平成23年度砂防学会研究発表会 桜島火山砂防における経年的な土砂変動に関する一考察
平成23年度砂防学会研究発表会 平成22年7月広島県庄原市での土砂災害における解析雨量から見た土砂流出に関する考察
平成23年度砂防学会研究発表会 桜島における火山活動を考慮した土砂災害発生危険基準線の設定
平成23年度砂防学会研究発表会 広島県庄原災害の誘因としての降雨と斜面で起きていた現象についての考察
平成23年度砂防学会研究発表会 吸水速度と初期体積含水率がまさ土斜面への降雨浸透に及ぼす影響
平成23年度砂防学会研究発表会 広島まさ土斜面における鉛直降雨浸透の高密度観測
平成23年度砂防学会研究発表会 土石流対策による土砂災害リスク軽減効果に関する検討
平成23年度砂防学会研究発表会 瞬間断面法による不飽和透水係数と土壌水分特性の関係について
平成23年度砂防学会研究発表会 現地計測に基づく降雨時のまさ土斜面のせん断変形と挙動
土木学会全国大会 SCE-UA法を用いたタンクモデルの構築
土木学会 SCE-UA法を用いたタンクモデルの構築とそれを用いた土砂災害発生危険基準線の設定

土木学会 海洋開発委員会 廃棄物リサイクル品を用いた底質改善手法の検討
土木学会海洋開発委員会 水理模型実験結果によるケーソン式混成堤の波浪による変形特性に関する一考察
土木学会全国大会 水理模型実験結果によるケーソン式混成堤の波浪による変形特性に関する一考察
土木学会海岸工学委員会 水理模型実験結果によるケーソン式混成堤の基礎変形特性に関する一考察

日本道路協会 旅行速度の変動指標を用いた全国の交通円滑性評価

the international Society of Offshore
and Polar Engineering Conference
& Exhibition
Signal Analysis of Radar Echoes from the Overhead Power Cable



土木学会中国支部研究発表会 発破時に発生するトンネル坑内の音圧の伝播特性の把握とその予測
土木学会中国支部研究発表会 SVMを用いた山岳トンネルにおける切羽補助工法選定システム
土木学会中国支部研究発表会 モバイルカメラによるトンネル坑内の粉じん濃度測定方法
土木学会全国大会 防音扉が設置されたトンネルにおける発破音の坑内伝搬特性の把握とその予測手法
土木学会全国大会 切羽評価点に基づく補助工法選定システムへのSVMの適用
土木学会全国大会 携帯電話のカメラ機能を用いたトンネル坑内での簡易粉じん濃度測定方法
土木学会 トンネル坑内における発破音の音圧スペクトルレベル予測式の提案
臨床トンネル工学研究所 発破騒音対策の現状について
INTER NOISE 2011 NUMERICAL ANALYSIS TECHNIQUE USING THE STATISTICAL ENERGY ANALYSIS METHOD CONCERNING THE BLASTING NOISE REDUCTION BY THE SOUND INSULATION DOOR USED IN TUNNEL CONSTRUCTIONS
日本トンネル技術協会 フラッシュ写真を用いた簡易粉じん測定法
日本イーエスアイ(株)
PUCA2011-ESI User's Forum Japan
トンネル防音扉の発破音低減解析への統計的エネルギー解析法の適用


建産廃ゼロ協 建設業における排出権取引政策の利用事例

地盤工学会第46回研究発表会 地すべり調査における透過X線写真の活用例
地盤工学会第46回研究発表会 大型構造物基礎岩盤の地震応答における複合降伏モデルの適用性
応用地質学会 中国四国支部 多段階ブロックせん断試験におけるせん断強度の判定方法について
応用地質学会 中国四国支部 定方位薄片観察による断層活動性評価について
土木学会 2011年東北地方太平洋沖地震における大型構造物基礎の地震時挙動の評価
ISRM 12th International Conress on
Rock Mechanics
Static and Dynamic Response Analysis of Rock Mass Considering Joint Distribution and Its Applicability
電力土木技術協会 複合降伏モデルによる岩盤斜面の地震時安定性評価に関する高度化検討
日本地球惑星科学連合 宍道断層西端付近における断層の活動性評価

地盤工学会第46回研究発表会 砂丘砂による大規模宅地造成盛土の耐震点検事例
地盤工学会第46回研究発表会 砂丘砂による大規模宅地造成盛土の動的強度の評価
地盤工学会中国支部論文報告集
地盤と建設第29巻第1号
初期せん断応力を受ける造成宅地盛土地盤の動的強度
地盤工学会中国支部論文報告集
地盤と建設第29巻第1号
東日本大震災地盤工学会中国支部調査団報告
谷埋め盛土の被災状況
土木学会全国大会 水道施設の耐震診断用レベル2地震動の設定について

応用生態工学会 学会行事報告 第3回全国フィールドシンポジウムin広島 デルタ域の自然再生における流域的課題~太田川-広島湾流域圏~
応用生態工学会 アユ漁場に適した水理条件に関して既往資料調査による指標値設定の試み
DNA多型学会 全個体遺伝子型解析による絶滅危惧植物の保全

地盤工学会第46回研究発表会 広島まさ土斜面の降雨に伴うせん断変形について
地盤工学会第46回研究発表会 瞬間断面法による不飽和透水係数の推定の一事例
日本地すべり学会 現地計測による不飽和透水係数の推定事例
日本地すべり学会 現地計測に基づく降雨時のまさ土斜面のせん断変形の評価
斜面・法面の維持管理と
防災マネジメントに関するシンポジウム
現地計測に基づく降雨に伴うまさ土斜面のせん断変形挙動の評価
斜面・法面の維持管理と
防災マネジメントに関するシンポジウム
鉛直降雨浸透の高密度観測による不飽和浸透特性の推定事例