先進技術センター Advanced Technology Center

ICTを活用した調査効率化システム

スマート調査

 モバイル端末や高精度衛星測位技術等を活用し、自然災害発生後の緊急調査や社会インフラの点検・維持管理等を迅速かつ安全に実施するためのシステムを開発しています。

 ICT機器を活用して現地調査班を調査箇所へスムーズに誘導します。また、リアルタイムで高精度の位置情報を持った調査・点検結果、写真等を送信することで、迅速な結果整理を可能にします。

モバイル端末による調査位置ナビゲーション

※測位箇所(精度):Fix解(約2cm)、Float解(20cm~数m)
高精度GNSSによる測位結果

中電技術コンサルタント(株)本社屋上に基準局設置済み

→10km圏内であれば数cmの精度で測位可能

→基準局圏外の場合、現地の既知基準点に基準局を設置することで数cmの精度を確保可能

モバイル端末/アンテナ測量ポールによる高精度測位

リアルタイム送信

災害対策本部における調査結果のリアルタイム把握

“スマート調査”の全体フレーム(大規模災害対応例)

 災害対応を経験した調査員の様々な“現場の声”を6つの課題「安全確保」「体制確保」「品質確保」「時間短縮」「情報(共有・連携・調整)」「成果報告・利活用」)に分類・整理し、ICT技術で解決する仕組みの構築を目指しました。

“スマート調査”の主な機能

モバイル端末用アプリの機能
実現した機能 要件
点検結果登録(記録) スマホ操作(写真、動画、音声、スケッチ)、圏外対応
現在地通知 本部通知、他班位置確認
現場ナビゲーション ルート検索、Googleマップ対応
地図情報表示 地理院地図等の表示、GISデータ(レイヤー表示)
点検帳票作成 写真位置図(方向付き)、点検票自動出力
本部との相互情報伝達・確認 防災情報伝達、現場からの緊急報告
基礎データのダウンロード 調査位置図、流域図、危険箇所等の防災情報
情報共有サイトの機能
実現した機能 要件
静的情報の閲覧 Webサイト:GISデータ、PDFファイルの閲覧・登録
点検箇所リストの作成 点検範囲の設定⇒危険箇所自動抽出、リスト作成
点検箇所と調査班対応付け 調査班数算出、点検箇所への班割り当て
点検必要情報の配布 必要な防災情報:レイヤ登録、共有設定
現場との相互情報伝達・確認 同じWEB地図閲覧、現場入力データのリアルタイム伝送

RTK(高精度衛星測位)搭載GNSSポールの開発

 RTK搭載GNSSポールを用いて、クラックを直接トレース(なぞる)します。なぞるだけでクラックは、3次元計測され、タブレット端末に自動で取り込まれます。
 また、端末では、CAD図面(現況測量図面)に計測したクラック線がリアルタイムで表示されることから、計測結果をその場で確認することができます。

GNSSポールによるクラック調査と3次元空間データへの反映