
防災・減災
無人航空機・ICT技術を活用した調査効率化支援 1/2 大規模土砂災害発生時の初動対応(緊急調査)を強力にサポート
主な内容
近年我が国では、過去に類を見ない豪雨や地震が数多く発生しています。このような豪雨や地震の際、山腹斜面では大規模な崩壊が発生し、崩壊土砂で河道が閉塞して天然ダムが形成されることがあります。さらに、天然ダムが決壊すると、土石流が発生して下流域に大規模な土砂災害を引き起こす危険性があります。
このような大規模土砂災害発生の危険性がある場合、国土交通省や地方自治体ではヘリコプター等で現地概況を把握し、必要に応じて緊急調査(現地調査)を実施して、天然ダムの形状計測、被害のおそれのある区域及び時期の想定等を行いますが、これまでの災害対応では迅速性・安全性の確保等が課題でした。
このような背景を踏まえ、中電技術コンサルタント(株)では、無人航空機や最新の ICT 技術(砂防調査・管理効率化ツール「SMART SABO」)を活用し、これらの調査を迅速・安全かつ正確に実施するための調査支援を行っています。本稿では「令和元年度 大規模土砂災害 ICT 等利活用調査業務」(国土交通省近畿地方整備局 近畿技術事務所)において、大規模土砂災害発生時の調査支援について検討・試行した結果を紹介します。
業務事例・論文発表・研究実績など
- 大規模土砂災害における無人航空機等を活用した初動調査について
【2020 年度砂防学会研究発表会概要集】 - 大規模土砂災害における無人航空機を活用した緊急調査の試行的研究
【第 10 回土砂災害に関するシンポジウム論文集,2020 年 8 月】
問合せ先
河川砂防部 TEL 082-256-3347

防災・減災
無人航空機・ICT技術を活用した調査効率化支援 2/2 大規模土砂災害発生時の継続監視を強力にサポート
主な内容
天然ダムは、一旦形成されると、その後の出水(台風や集中豪雨)等により、斜面の土砂流出等が繰り返し発生するため、継続的な監視が必要となります。また、土石流等による被害が周辺集落に生じるおそれのある場合には、迅速な情報提供が求められます。
2011 年の紀伊半島大水害では、大規模な天然ダムが 5 箇所にて形成され、発災後直ちに緊急調査が行われました。現在でも、3 箇所において調査を継続されており、出水による地形変化等が見られます。
このような状況に対して、中電技術コンサルタント(株)は、迅速、安全かつ効率的に調査する方法として、自動航行による無人航空機調査に取り組んでいます。
業務事例・論文発表・研究実績など
- 山間地域におけるUAV 等による自動巡回・画像取得技術検討業務
【国土交通省 近畿地方整備局 紀伊山系砂防事務所 2019 年度】 - 山間地域におけるUAVによる自動巡回・画像取得の試行について
【第69回 2020年度砂防学会研究発表会】
問合せ先
河川本部 水力水工部 TEL 082-256-3355