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【技術紹介】
僅かな温度差(0.02℃)を可視化できるカメラを
流速計測に活用しました

 近年、国土交通省が推進する革新的河川技術プロジェクト(第4弾)「流量観測機器」を中心に流量観測の無人化・省力化が期待できる非接触型手法の活用が進んでいます。ビデオ画像を利用するSTIV(Space-Time Image Velocimetry)は、計測精度の高さや解析の容易さから国内外で実用化が進んでいます。一方、STIVでは、洪水時でも波紋が立ちにくい川幅水深比が大きく水面勾配の小さい河川や低水時の流況では時空間画像(STI)の縞パターンが不明瞭となり流速計測の精度が低下する課題があります。
 本研究では、僅かな温度差(0.02℃)の検知が可能な中波赤外線カメラを用いて河川流速計測を行いました。中波赤外線カメラを活用することで、可視光カメラや遠赤外線カメラでは計測が困難な波紋が確認できない平水時や悪天候時での撮影が可能で、更に自由表面に現れる渦構造(ボイル渦)の可視化も可能です。今回このカメラを活用したことで渦構造まで可視化し、平均流速だけでなく、乱流場の解析にも成功しました。実河川で渦構造の計測例は国内初となる取り組みです。
 今後も実河川レベルでの流れの現象の把握、局所洗堀位置や河床形状等の推定、生物生息場環境の可視化等、防災減災、河川管理に寄与するインフラDX推進に取り組んでいきます。

計測成果

中波赤外線カメラ

中波赤外線カメラ

可視光カメラ

可視光カメラ

計測状況

中波赤外線カメラ

中波赤外線カメラの概要

名称 X8500SC
検出素子 FLIRインジウムアンチモン(InSb)
スペクトル波長 3 to 5μm
温度分解能 <0.020℃>
フレームレート プログラム可能、0.0015Hz~181Hz
画像解像度 1280*480
中波赤外線カメラ
本件に関するお問い合わせ

河川砂防部
TEL:082-256-3348