維持管理
磁気歪を利用した応力測定法
鋼構造物の発生応力を塗膜の上から簡易に測定
2007年8月、米国中西部ミネソタ州ミネアポリスで発生した40年経過の高速道路橋の崩落事故は、世界に衝撃を与えました。原因は疲労亀裂、腐食、添接板の強度不足などの可能性が原因として挙げられていますが、現段階(2008年1月)では詳細な原因は調査中となっています。
またわが国でも、三重県で木曽川大橋(単純平行弦下路ワーレントラス橋)で斜材の腐食による破断が発見され、同様の橋梁の緊急点検が全国で行われるなど、社会資本の安全性に関心が高まっています。
点検の究極の目的は、構造物の破壊を防ぐことですが、構造物の点検は一部計測で行われているものの、ほとんどが目視を中心とした点検であり必ずしも最適な方法であるとはいえません。破壊の原因である疲労、腐食、設計条件を超える荷重、支点の変位等による異常な応力の発生、加工過程における残留応力等の状況を把握する必要があります。
磁歪式応力測定法と歪ゲージ応力測定法
「歪ゲージ法」は一般的によく利用される方法ですが、①ゲージを貼り付けた時からの応力しか測れません。また、②ゲージを貼付、配線などの作業が煩雑で、長時間を要し、かつ、塗装を除去、修復する必要がある。などの欠点があります。
一方、磁歪式応力測定法では、鋼等の強磁性体の応力による磁気異方性を利用測定するため、非破壊で塗膜上から絶対応力を簡便に測定できます。

検査状況

応力分布図例
当社では、1996年度から本方法の実用化研究に取り組み、実用化に向けての多くの知見と、装置開発を行って参りました。技術開発に伴い、12件の特許出願を行い、現在基本特許2件が特許として認められております。
近年、多くの研究者や国の機関、民間企業より問い合わせ、業務の受注をいただいており、今後の診断業務の精度向上とコスト削減に寄与できるものと考えています。
診断技術者にとって「問題がある」評価はやさしいですが、「問題はない」という評価は最も難しく、その裏づけを明確にする必要があります。「磁歪式応力測定器」は、診断技術者にとって医者の聴診器に匹敵します。「応力聴診器」として見えない応力を見せる技術です。
【NETIS(新技術情報提供システム)認定番号 CG‐080015-A】
