MENU

日本川紀行

日本川紀行(土石流危険渓流遡上行)

呉吉浦大川・宮島紅葉谷川(1997年9月13日)

 土石流に呉と宮島は欠かせない。このため今回は、午前を呉、午後を宮島の調査としてJRで移動しての強行軍となった。参加は、前回の水工部中心のメンバーに、山口支社の末本、臨海の日高、かつて仕事で紅葉谷川を調査した経験のある水工の樋口と原子力の岩田が加わり、 総勢15人で2渓流を遡上した。

写真:吉浦大川、古老に聞く

写真:紅葉谷川゛庭園砂防″を行く

 吉浦大川は、枕崎台風による大被災後も何回かの土砂災害を被っており、そうした被害履歴から、広島~呉道路計画時に当社で入念な検討を行っている。今回は現地で、その業務をかつて担当した白石から、詳しい説明があった。

 遡上途中で地元の古老に会い枕崎台風時の惨状の一部を聞いたが、瀬戸内沿岸の土石流については、先ずこうした人達の存命中の可能な限りの資料収集が重要と思われる。

 今回の遡上スケジュールは忙しい。昼時間にJRと船を乗り継ぎ宮島に渡り、昼食は紅葉谷であわただしく鹿連れで済ませた。紅葉谷の枕崎台風被災後の災害復旧は、“庭園砂防”と銘打って、近年のいわゆる近自然とか多自然とか言われる河川整備時代につとに有名で、広島県が誇る昭和20年代の整備の傑作である。

 遡上は紅葉谷をあえぎながらのぼり、午前からの行動に疲れ帰りは遂にロープウェイとなったが、技術屋の目には、この谷の土石流への危険は未解決で、中・下流域の景観に配慮した整備は確かに素晴らしいが、源流部付近に今後の抜本的土石流対策が必須に思えた。

(文中敬称略、続く
(組織名称、所属部署は当時のもの)